ＤＡＺＮがフランス撤退も 「料金高い」批判→違法視聴１００万人でビジネス破綻

１００万人が違法視聴したＰＳＧの試合（ロイター）

サッカーのフランスリーグで動画配信大手「ＤＡＺＮ」の利用料金が高額すぎるとして、ファンやサポーターが反発して１００万人とみられる〝違法視聴〟が発生した問題で、このままならばＤＡＺＮが撤退する可能性を現地メディアが報じた。

フランスではサッカーリーグの放映権をＤＡＺＮが獲得し、今夏から配信を開始。だが制限なく視聴できるプランが月額３９・９９ユーロ（約６５４０円）など利用料金が高額すぎるとファンやサポーターからの猛反発を招いた。

そして迎えた開幕戦では、最も注目を集めたルアーブル―パリ・サンジェルマン（ＰＳＧ）戦で、通信アプリ「テレグラム」を使用した違法視聴が約１００万人に達したと各メディアが報じ、波紋が広がっている。

そうした中で、フランス放送局「ＲＭＣ」はこのまま違法視聴が続けば、ＤＡＺＮが撤退する可能性を指摘した。

「ルアーブル―ＰＳＧ戦では最大１００万人の違法視聴者が記録された。これは憂慮すべき現実だ。誰もＤＡＺＮに加入しなければ、チャンネルは破産し、それに伴ってフランスフットボールの経済全体も破産する可能性があるからだ」と危機的状況を強調する。

「平均して、テレビ放映権料はクラブ収入の３６％を占める」と指摘した上で「クラブ（全体）に年間４億ユーロ（約６５１億円）を支払っているＤＡＺＮが、誰もそのサービスに加入せず、ストリーミングやＩＰＴＶの利用を好み、投資に見合うリターンを得られない場合、ＤＡＺＮは簡単に撤退し、クラブの収入を圧迫する可能性がある」と報じた。

もしＤＡＺＮが撤退する事態になった場合はリーグの経営問題に発展するため「リーグは来週末の第２節から、海賊版対策に全力を挙げる予定だ」と徹底した対策に乗り出す構えだ。

放映権料の高騰によって視聴者にしわ寄せがきて、違法視聴が横行する異常事態。フランスリーグの対応に注目が集まる。