比嘉大吾の師は「武居は大場政夫選手に似ている」と好感抱くも「勝負に徹する」

武居由樹の公開練習を視察後、囲み取材を受ける野木トレーナー

倒す相手は憧れの名王者に似ていた！？ ボクシングのＷＢＯ世界バンタム級タイトルマッチ（９月３日、東京・有明アリーナ）で王者・武居由樹（２８＝大橋）に挑戦する同級１位・比嘉大吾（２９＝志成）のトレーナーである野木丈司氏（６４）が２０日、横浜市内で行われた武居の公開練習を視察。武居が元ＷＢＡ世界フライ級王者の故大場政夫さんに似ていると好感を持ちながらも、私情抜きに戦うことを強調した。

陸上選手でもあった野木氏は階段を駆け上がるトレーニングを主宰し、そこで武居と、武居を指導する八重樫東トレーナーも汗を流した関係がある。前日の比嘉の公開練習では、視察に訪れた八重樫氏と友好的な雰囲気の中、情報でかく乱しあう駆け引きを繰り広げていた。

武居の練習を見た野木氏は「当て感がある。力任せに行くんじゃなくて、瞬間に力を合わせる能力がすごい」と評価。弱点については「あると思う」と話しながらも、「そこを突けるか。あれだけ素晴らしい選手なので。自分のやりたいことがしっかりできるか。やられたくないことをさせないことが大事」と想定した。

また、小学生のころに大場さんを見てボクサーを志した過去があり、「彼（武居）のことが大好きなんですよ。人間的にもそうですけど、僕の運命を決定づけた大場政夫選手をほうふつとさせる。（出身地が武居と）同じ足立区ですし。角刈りにしたらもっと似る思いますよ。大吾（との試合）じゃなかったら頑張れよと言いたい」と複雑な心境も吐露。それでも、「結果がどうあれ、あと腐れができるものでもない。勝負に徹して一生懸命やりたい」と言葉に力を込めた。