【巨人】長嶋茂雄終身名誉監督の〝御前試合〟で今季初黒星「もう負けることは許されない」

首位攻防第１Ｒは、広島に力負けとなってしまった巨人・阿部監督(中)

首位攻防戦第１ラウンドで手痛い黒星を喫した。セ２位・巨人が２０日の広島戦（東京ドーム）で３―８と敗れ、２連敗。首位・広島に２ゲーム差をつけられた。

序盤から誤算が続いた。先発・山崎伊が初回に末包の２点適時打で先制され、４回には打者一巡の猛攻で一挙５失点。打線も２回に岡本和の１９号ソロ、４回に浅野と丸の適時打で計３点を返したものの、点差は縮まらずに天王山初戦を落とした。

試合後の阿部慎之助監督（４５）は「あと１人、とかね。あと１球とか。そういうところを詰めることができなかった。そこだけだね」と振り返りながら淡々とコメント。その上で「大差で負けちゃいましたけど…。カープとこれで（今季の対戦成績が）五分になったのかな、と思って、明日また切り替えてやりたいと思います」とも述べ、前を向いた。

試合前には長嶋茂雄終身名誉監督（８８）が激励に訪れた。だが、この〝御前試合〟での黒星もチームにとっては今季初の屈辱となった。

長嶋氏は今季ここまで本拠地・東京ドームで行われた巨人戦に４試合来場。その当日、チームはいずれも負けなしで３勝０敗１分と抜群の勝率を誇っていた。開幕戦（３月２９日）、そして「長嶋茂雄ＤＡＹ」と銘打たれた球団創設９０周年記念試合（５月３日）の阪神戦２試合などで阿部監督率いるチームを激励。そんな〝ミスター効果〟も重なり、今季来場した日は無敗記録を更新中だった。

ところが、この日は今季来場５試合目にして初黒星。チーム関係者は「長嶋さんが来る試合は、絶対に負けられない試合。ましてや首位チームとの直接対決だっただけに…。一度ついた黒星は消せないけど、もう負けることは許されないですよね」と肩を落とした。

阿部監督も「大事な首位攻防戦という形だったので、激励に来ていただいたんですけど。ちょっと残念過ぎる試合だったので申し訳なかったなと思います」と唇をかんだ。

これで対広島戦の今季成績は７勝７敗３分と五分。長嶋氏に〝朗報〟を届けるためにも広島とのし烈な首位争いを制し、４年ぶりリーグＶを成し遂げられるか。