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【菊地敏幸連載#26】早大には内緒で和田毅と星野仙一監督の会談をセッティング

東スポWEB / 2024年8月23日 11時14分

大注目だった和田。阪神も狙っていた

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(26)】2002年のドラフトは昭和55年生まれのいわゆる「松坂世代」が、大学を経てプロ入りするタイミングとなりました。和田毅投手(早大)がダイエー、木佐貫洋投手(亜大)が巨人、永川勝浩投手(亜大)が広島など、自由獲得枠で12選手の入団が決まる人材豊富な年でした。

最大の注目選手は東北高の151キロ左腕・高井雄平投手(後に野手転向)でヤクルトと近鉄が競合の末、ヤクルトが交渉権を獲得しました。近鉄が外れ1位で獲得したのは「最後の猛牛戦士」といわれた坂口智隆(近鉄、オリックス、ヤクルト)でしたね。

米大リーグ・マリナーズ、ロイヤルズなどで活躍したマック鈴木こと鈴木誠投手がオリックスから2巡目でドラフト指名されたことも話題になりました。1998年にオリックスの指名を拒否し、沖縄水産高から九州共立大に進学していた新垣渚投手も「松坂世代」の選手で、熱望していたダイエーに自由枠で入団することが決まりました。

阪神は自由枠で杉山直久投手(龍谷大)、江草仁貴投手(専大)の2人を獲得しています。この2人も「松坂世代」です。2投手ともに05年の岡田阪神のリーグ優勝に貢献してくれました。

杉山は05年に先発ローテで9勝。現在はオリックスの球団スタッフとして球界に貢献してくれています。江草はジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の救援トリオ「JFK」を支える存在として桟原将司、橋本健太郎、江草からなる「SHE」の一角として奮投。現在は阪神で二軍投手コーチを務めてくれています。

ただ、この02年のドラフト自由枠で阪神が狙っていた投手は和田でした。最終的に7球団が争奪戦に参戦。東京六大学リーグで江川卓氏(法大、巨人)が25年間にわたって保持していた奪三振記録「443」を「476」に更新した左腕に注目が集まりました。

このシーズンから阪神は明大出身の星野仙一監督が指揮を執っていました。まあ特に気合が入っていて、俺が監督をやっている限りは東京六大学リーグのナンバーワン投手を絶対に獲得するんだと意気込んでいました。

私と池之上格スカウトでコンビを組んで和田獲得へ動きました。和田は島根の浜田高校出身で、実家にもあいさつに行きましたね。球団スタッフの奥さんが和田のお母さんと同じバレーボールチームでプレーしていたご縁もあり、最初の感触としては悪くなかったんです。

阪神の東京遠征中には内密で、早大の野村監督にも内緒で和田を都内の高級ホテルに引っ張り出して星野監督を交えて会談したこともありました。さすがに当時の和田は緊張していて、ベルトを着用し忘れてきていましたね。

あれは7月か、8月だったかな。まだ逆指名球団を表明するような時期ではありませんでした。星野監督は当然「どうなんだ」って和田に質問をするわけです。具体的に球団名も出してね。あのころはまだソフトバンクではなく、ダイエーホークスだったんですね。で、星野監督がある質問をした時に和田の表情が変わったことを私は覚えています。

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