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【甲子園】初Ⅴ京都国際の「日本一厳しい」野球環境 選手は〝テレパシー〟で意思疎通

東スポWEB / 2024年8月24日 6時5分

優勝を決め、マウンドで歓喜する京都国際ナイン

第106回全国高校野球選手権大会の決勝戦が23日に甲子園で行われ、京都国際が関東第一(東東京)を決勝史上初の延長タイブレークの末、2―1で破って初優勝した。小牧憲継監督(41)が徹底して精神力を鍛えた「禁欲軍団」は厳しい規律の寮で生活し、野球漬けの日々を送ってきた。神経が研ぎ澄まされ、いつしか〝特殊能力〟まで備わったナインの「ストイックすぎる」生活ぶりとは――。

深紅の大優勝旗は68年ぶりに古都・京都に渡った。スコアレスで迎えた延長10回、満塁から押し出し四球で待望の先制点を挙げ、さらに三谷(3年)の右犠飛で追加点。エース・中崎(3年)からマウンドを託された2年生左腕の西村がその裏の攻撃を1点に抑え、両手を広げて喜びを爆発させた。

小牧監督は「ほんとにすごい子供たちだなってもうひたすら感動しました。こんなオッサンに素晴らしい夏休みをもらえたな、ともうホントありがとう、の一言です」と選手に感謝の言葉を並べた。

厳しい修練を乗り越えて栄光をつかんだ。学期中の練習オフは週1日。実家に帰っても午後10時までに寮に戻らないといけない。夏休み期間のオフはなく、今大会中も指定の宿舎から外出は禁止。強化期間の土日は練習が午前9時から午後9時までの約12時間、平日は授業終わりから午後10時半まで続けている。

粗相をした選手には草むしりやゴミ拾いなどペナルティーも待っており、心身ともに鍛え上げられたナインは「僕らは間違いなく日本一キツい練習をしてきている。僕らより軽い練習の学校に負けるわけにはいかない」と揺るぎない自信を持って試合に臨んでいた。

寮生活も抜かりはない。自室の整理整頓はもちろん、玄関の靴の並べ方にも細心の注意を払う。小牧監督の目が光り「練習中に監督が寮に入ってチェックするんです。当然怒られるので、ちゃんと片づけておかないといけない」(ある選手)と気を引き締める。

管理ならぬ〝監視野球〟とも言えるが、選手は窮屈に感じておらず「慣れているし、もう気にしなくなった。これが普通なんで何とも思わないですよ。厳しいからこそメンタルが鍛えられて選手同士の絆が深まるし、タイブレークになっても誰も気持ちが引かない。何より試合で結果が出ている」と言ってのける。

四六時中、顔を合わせていることで今では会話しなくてもコミュニケーションできるまでになった。「自分の行動であいつはこう感じただろうから、これを言ってくるに違いない」「今、あいつはこれをやっているだろうからもう少し後にしよう」「誰が何をしているか考えなくても分かる」「このタイミングで食堂に行けば会って話せる」など〝以心伝心〟が日常となり「甲子園は観客が多いので声をかけても聞こえないけど、僕らは目や表情で分かる。外野フライとか、野球でも役に立っている」(ある選手)といい、もはやテレパシーの領域まで達しているという。

宮村部長は小牧監督の意図について「当たり前のことを当たり前にできないといけないし、基盤というところを監督は大事にしている。基盤がないと上積みもできない。いくら技術が達者でも基盤ができないとそれで崩れていくという考え方。そこは重きを持って指導されていると思います」と説明している。

「精神力、気持ちの部分、ここは負けたらアカンということをずっと言い続けて、全員で強い気持ちを持って攻めてくれた結果と思う」と目を細めた指揮官。鍛え上げたナインの成長と笑顔が何よりの喜びだ。

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