〝かませ犬〟ドヘニーが革命起こす！ 井上尚弥撃破へ「自分を信じる」

練習を公開したドヘニー

かませ犬から革命戦士になる！ ボクシングのスーパーバンタム級４団体統一タイトルマッチ（９月３日、東京・有明アリーナ）で、４団体統一王者・井上尚弥（３１＝大橋）に挑戦するＷＢＯ同級２位ＴＪ・ドヘニー（３７＝アイルランド）が２４日、横浜市内の大橋ジムで公開練習を行い、井上に勝利してボクシング界に革命を起こすことに意欲を示した。

海外大手ブックメーカーのオッズは井上の勝利が１・０２倍、ドヘニー勝利が１５倍と圧倒的な差がつき、井上の楽勝ムードが漂う一戦。ドヘニーは「異国でアンダードッグとして試合をすることが多々あった」と日本では〝かませ犬〟と訳されることもある「アンダードッグ」であることを認めながらも、「どんな状況であっても自分自身を信じ切ることが大事」と強いメンタルで臨むことを強調した。

かませ犬と言えば、思い出されるのは〝革命戦士〟と呼ばれた元プロレスラーの長州力。新日本プロレス所属時代の１９８２年、人気で先行する同門の藤波辰爾に対して「俺はお前のかませ犬じゃない」と反旗を翻し、スターダムに駆け上った歴史がある。

米国の権威ある専門誌「ザ・リング」が定めるパウンド・フォー・パウンド（全階級を通じたランキング）で、２位の井上に勝利することは、ボクシング界の革命的な出来事であることは間違いない。ドヘニーにその意欲を直撃すると「私はすでに革命を起こしつつある」とニヤリ。トレーナーも「彼はアイルランド人だからね」と、闘争の末に英国から独立を果たした民族の魂を持っていることを強調した。

とはいえ、井上に対しては「すばらしいボクサー。口汚いことをいうつもりは全くない」と敬意を払う。「これは夢の舞台。この事実がモチベーションになっている。４団体統一以上のタイトルマッチはない」とこの一戦にかける強い意欲を口にした。

「彼に対して対策をするのは愚か。彼はオールラウンドで、どんな状況にも調整して戦える。経験を生かして、信頼しているトレーナーとの練習が功を奏すると思う」と戦いをイメージ。

続けて「自分たちはプロ。試合時間が長くなるにつれて報酬が増えることはないと認識している。長い試合はやりたくない」とＫＯ決着を狙ってモンスターに挑む考えだ。大金星で世界を驚かせることができるか。