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【菊地敏幸連載#27】和田毅を口説くためクレジットカードを渡した球団も

東スポWEB / 2024年8月27日 11時4分

早大・和田毅は02年ドラフトの自由獲得枠でダイエー入り

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(27)】2002年のドラフトで阪神は自由獲得枠で杉山直久(龍谷大)、江草仁貴(専修大)の両投手を指名するに至りました。2人とも05年の岡田阪神のリーグ優勝の戦力となってくれました。

ただ、ドラフト戦線で阪神はダイエーを逆指名することになる和田毅投手(早稲田大)の獲得を目指していました。東京六大学リーグ出身の星野仙一監督(明治大)が特に気合を入れており「絶対に獲らなあかんのや」という勢いでした。

そして7、8月ごろの時期、早稲田の野村監督にも内緒で星野監督を交えて密会。星野さんが具体的に球団名も出しながら、和田に率直な質問をぶつけました。

星野さんがダイエーホークスの名前を挙げた時でした。「ダイエーは身売りなんて、うわさもあるもんな。だからダイエーはないよな?」という内容の言葉だったと記憶しています。すると、和田の目線がフッと上に上がったんだよね(笑い)。それはいまだに覚えていますね。

和田はもともとメジャーリーグでプレーすることを夢見ていました。その意向は聞いていましたから。私も将来のメジャー移籍に関してFA権取得前の希望を受け入れるなど条件を出せませんかと、球団には掛け合いました。しかし、ウチはやっぱりノーでした。

そうなれば和田に関しては真っ向勝負でいくしかない。そこからしばらくして、あるタイミングで和田サイドからは「すいません。ダイエーにお世話になります」とお断りを受けることになってしまうのですが…。

あくまでうわさ話のレベルですがダイエーは都内のマンションを借り、クレジットカードも与えていたという話も耳にしています。あのころは自由競争の時代ですから。和田を口説くためにダイエーがどんな方法を使ったかは定かではないですが、大金が動いたであろうことは想像できます。

ダイエーに限らず獲得に本気だった他球団もクレジットカードを和田に渡していたところはあるそうです。でも和田は全く手をつけずにカードを返してきたという話も聞いています。あくまでも個人の行動です。和田の全てを把握していたわけではありません。和田が甘い話だけに乗って入団先を選んだのではなく、総合的に判断したんだとは信じています。

当時は契約金1億円プラス出来高払い5000万円という上限が設定されていました。ただ、これはあくまで12球団の申し合わせ事項です。ファンの皆さんでも当時は5億、10億なんて大金が飛び交っていたなんて話は聞いていると思います。本当に漫画のような世界でしたね。

阪神もしっかりアプローチしていたんですよ。早稲田のグラウンドから近い吉祥寺のスナックにも和田と訪れました。関係者から教えてもらったおしゃれな六本木のお店なんかにも、和田には付き合ってもらいましたよ。

正直言って阪神が和田に断られた理由は分かりません。これだけやって断られることはないだろうというくらいに動いたつもりでした。ウチのアプローチがまっとう過ぎたんですかねえ。恐らく裏では半端ないくらいにダイエーが動いていたんだと思います。まあ、わかんないことははっきり言えないですけどね。

ただ、ここで和田を獲得できなかったことが、後の阪神のドラフト戦略に好影響を与えてくれることにもなります。次回はそのあたりについてお話しさせていただきます。

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