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スポーツクライミングの改善点を提言「未経験者が見て公平と思える環境に」【後編】

東スポWEB / 2024年8月27日 11時34分

パリ五輪の決勝で課題に挑戦する森秋彩

今後はどうあるべきなのか。パリ五輪のスポーツクライミング複合女子決勝で、森秋彩(20=茨城県連盟)が身長差の影響するボルダー第1課題に苦戦して0点に終わったことが注目を集めた。日本人女性初のプロクライマーでスポーツクライミングの専門家でもある尾川とも子氏(46)による徹底検証の後半では、2028年ロサンゼルス五輪に向けて競技の改善点などを提言した。

パリ五輪では、森の苦戦をきっかけにボルダーの課題設定が注目を集めた。今後はさまざまな層が関心を持つ五輪競技として、分かりやすさなどより良い“見せ方”も求められる。

尾川氏 経験者で森選手を常に見てきた私たちと、一般の方が初めて森選手のボルダーを見た時の反応の違いの大きさにはびっくりしました。かわいそうとか、不公平のようにも見えてしまったので、より公平に見えるように。100%公平にとはいかないでしょうが、少なくとも未経験者が見て公平だなと思える環境にすることは大事だとすごく感じました。それは運営の方も思っているのではないでしょうか。

森はリードを本職とする選手だが、五輪ではリードとボルダーによる複合種目だった。各選手が得意分野で競えれば初心者にもより公平に映る可能性がある。それぞれ単種目として実施することも改善案の一つだ。

尾川氏 私たちもそうですし、選手もそう感じていると思います。今回どういう経緯でこうなったかは分かりませんが、複合というのは選手にとっても練習するのが大変です。今大会では、明らかにリード選手に有利なフォーマットになっていました。ボルダーで点数を稼いで、リードで残って逃げ切るというのが非常に難しい形でした。ボルダー選手にとっては、(男子代表の)楢崎智亜選手なども、苦しい戦いになるのは十分承知の上で戦っていた感じです。

次回の2028年ロサンゼルス五輪では、実際にボルダーとリードを分けて実施される可能性はあるのか。

尾川氏 あると思います。前回の東京大会と今回のパリ大会では追加種目でしたが、次からは正式種目になります。W杯のように、もしかしたらそれぞれ単種目になる可能性もあるかなとは思っています。まだどうなるかは分からないですが。

最後に、尾川氏はプロクライマー、そして競技の専門家の立場から、今回のパリ五輪を次のように総括した。

尾川氏 初めて競技を見る方たちが森選手をすごく応援してくれたのに、スタート位置に付けなかったところで不快感が出たり、悲しい思いをして、スポーツクライミングが「変な競技だな」「なんか残念な競技だな」と思われてしまったことには、業界を代表して非常に申し訳ないなという気持ちがあります。せっかく(五輪を通じて)魅力を伝えようとしたのに、魅力が伝わらず悪いところが出たことはすごく残念。これをなんとか挽回できるように、次の五輪ではより良い試合ができるようになればと思います。

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