ドラマ「西園寺さん」松村北斗の感動ハグ呼んだ数式は「円分多項式」か 数学を愛する会が公表

松村と松本

２７日のＴＢＳ系ドラマ「西園寺さんは家事をしない」で視聴者の感動を誘った、西園寺（松本若菜）と楠見（松村北斗＝ＳｉｘＴＯＮＥＳ）のハグを導いた数式は「円分多項式」だった。数学監修を務めた「数学を愛する会」が、ウェブサイト「ｍａｔｈｌоｇ」で明らかにした。

楠見と西園寺は会社の同僚で、シングルファーザー・楠見の娘ルカを含めた３人は「偽家族」として生活の一部を共にしている。西園寺には「彼氏」がいるが、楠見にもかつて恋愛感情があったことを告白。楠見も西園寺への恋心を自覚し、２人は微妙な関係に。２７日放送ではラスト、感極まった楠見が西園寺のもとに駆け込み、「ゴチャゴチャした」感情を涙ながらに告白。西園寺はハグで受け止め、「もらい泣き」「神回」といった視聴者の反応がネットニュースになった。

そのきっかけとなったのが、亡き妻の瑠衣（松井愛莉）が人を介して楠見に託した１通のファイル。そこにある数式を解いたことで、楠見は背負っていた妻の死から解放され、前へ進む気持ちが生まれた。２人は数学好きで、瑠衣は生前「解かれた数式が脳に語りかけてくるのよ。『ここは通過点です、先に進みなさい』って」と語っていたのだった。自身の死後、楠見が責任を背負い込んでしまうことを心配した瑠衣。託した数式は、解いてくれれば気持ちが変わることを確信してのメッセージだった。

この放送回で数学の監修をしたのが「数学を愛する会」。ｍａｔｈｌоｇでは「ストーリー設定にピッタリな式として円分多項式を選定させていただきました」とし、詳細な説明をしている。

円分多項式は、「１の原始ｎ乗根のみを解に持つ多項式のこと」「多項式の中でも、初等整数論において重要な意味を持つ」などと数学サイトで説明されている。ドラマでは楠見が紙に書き込む数式も映された。ＳＮＳでは「後押しするのが亡くなった奥さんからの数式なんて愛が深すぎるのよこのドラマ」といった反応も見られた。

近年のＴＢＳ系ドラマでは、昨年１０月期「フェルマーの料理」や「フラクタル図形」を登場させた２０２０年の「危険なビーナス」が数学にちんだ話題を取り上げている。