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【菊地敏幸連載#30】鳥谷敬獲得のライバル巨人は「とんでもない数字」を用意したらしい…

東スポWEB / 2024年8月30日 11時17分

早大2年春に3冠王に輝いた鳥谷。調査するほどほれる逸材だった

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(30)】2003年のドラフトの目玉は早大・鳥谷敬でした。この逸材を何とか阪神に自由獲得枠で指名という結果を残さなければならない。池之上格スカウトとタッグを組んで、全精力を注いで動きました。

表向きは東伏見にある早稲田の野球部グラウンドに足しげく通い、ちょっと分からないように会食を重ねるなどして本人との信頼関係を築いていきました。とはいっても議員さんが行くような高級料理屋で会食というわけでもなく、吉祥寺かいわいのスナックや、紹介で知った薄暗い六本木のスナックで飲むくらいの程度です。

私なりにちょっと調べ、それなりに高級なホテルのすし屋などにも通いはしました。が、これはあくまで本当に表向きの仕事であって、ぜいたくざんまいの接待とは違います。

その当時から、鳥谷は食事をしてお酒を飲むにしてもオンとオフの切り替えをしっかりとしていました。大学時代からですからね。それはすごいなと今でも思います。もともとがプロ気質の性格でした。

野球に打ち込む姿勢は半端ではなかったですね。寮内での生活をリアルに見ることはできないので、信頼できる学生からの情報ですが、リーグ戦になるとテレビも新聞も一切目にしないでプレーに集中するということでした。夜中の2時に風呂場でシャワーの音がするから様子を見たら鳥谷が入っていて、疲労がたまった体を温め、冷やしてケアしていたということでした。

学生にしてはすごいなと思いましたね。そういうエピソードを聞けば聞くほど、鳥谷という選手にほれ込んでいきました。とはいえ、そもそも鳥谷は東京出身で関東の人間です。関西には地縁がないわけです。情報によれば、西武だけはないだろうということだけが分かっているという程度でした。獲得できるかどうかの手応えなども分かりませんでした。

このドラフトの翌04年、ドラフトで明大・一場靖弘投手の自由獲得枠争いを巡り、いわゆる「栄養費」問題が発覚。球界に激震が走りました。その1年前ですから、大きなお金の動きもあった年です。鳥谷獲得のライバルだった巨人は、とんでもない数字を用意したというウワサも耳にしました。

それでも阪神サイドの誠意は伝わっていたかと思っています。前年の和田毅(ダイエー入団)の時からの活動も知ってもらっているはずですし、当時の早大・野村監督にも阪神の良い印象を持ってもらっていたはずです。早大野球部のマネジャーにもいろいろと協力してもらいました。

鳥谷がどの球団を選ぶのか。それはまだ誰にも分からない状況でした。こちらは人事を尽くして天命を待つしかありません。

そんな中、流れが変わったかなという時期がありました。巨人のあるスカウトなのか、それとも監督だったのか、関係者の発言が漏れ伝わってきました。

当時の巨人の遊撃レギュラーは二岡智宏(近大)でした。その二岡のポジションを動かしてでも、鳥谷をショートで欲しいという話が出てきたんです。この頃から阪神に流れが来たことを記憶しています。

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