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井上尚弥〝消化不良〟ドヘニー続行不能で7回TKO勝ち「満足な試合内容じゃないけど…」

東スポWEB / 2024年9月3日 21時45分

TJ・ドヘニー(右)をじわじわと追い込む井上尚弥

こういう日もある。ボクシングのダブル世界戦が3日、東京・有明アリーナで行われ、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)は元同級世界王者のTJ・ドヘニー(37=アイルランド)に7回TKO勝ち。挑戦者のアクシデントで試合終了を余儀なくされたが、2度目の防衛に成功したモンスターは無敗の階段をさらに駆け上がった。

これも「まさか」の結末だ。挑戦者が負傷で途中リタイア。井上には何の否もないが、拍子抜けする決着に会場は静まり返った。井上は「結果に関しては満足な試合内容じゃないけど、長く試合をしていればこういう試合もある。また次に期待してほしい」と語った。

身長で8センチ上回る挑戦者は前日の計量から11キロも体重を増やし66・1キロでリングに立った。5階級も上のウエルター級に相当するが、モンスターには何ら問題はなかった。

5月に東京ドームで元世界王者のルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちしたものの、1回にプロ初のダウンを奪われた。この反省からか序盤は様子見に徹した。

そして4回からギアを上げた。ボディーを中心に攻撃を組み立て手数で圧倒。6回にはボディーからの連打で追い込んだ。

そして7回、再びボディーでラッシュをかけると挑戦者の動きが止まった。ドヘ二ーは右の腰を抑えて苦悶の表情を浮かべ、試合続行不可能の意思表示。7回16秒、さあこれからという時に井上のTKO勝ちが告げられた。

内容はともかく、世界戦9試合連続KO勝ちで、世界戦通算23勝は並んでいた井岡一翔(志成)を上回り日本人単独最多となった。

次戦は年内に東京で開催される予定で、今回の対戦相手として浮上していた19戦無敗のサム・グッドマン(25=オーストラリア)、元同級2団体統一王者のムロジョン・アフマダリエフ(29=ウズベキスタン)が候補に挙がっている。

井上の試合をプロモートするトップランク社のボブ・アラムCEOは、試合後にリング上から「来年はラスベガスで大きなイベントを開催したい」と4年ぶりとなる米国でのタイトルマッチについても言及した。同氏は3階級を制覇した〝ネクスト・モンスター〟WBA世界バンタム級王者・中谷潤人(26=M・T)との〝モンスター対決〟実現にも意欲を見せており、夢は膨らむ一方だ。

「まだ未完成だと思う。もっともっと上を目指して頑張っていきたい」。今後も楽しみしかない。

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