【西武】休養中の松井稼頭央監督「異例の本拠地来場」で見えた〝今後の進路〟
東スポWEB / 2024年9月16日 6時8分
西武は15日のロッテ戦(ベルーナ)に7―1と勝利。この試合が引退試合となった金子侑司外野手(34)の花道を勝利で飾った。
西武はこれでロッテ戦3勝17敗とし、今季の通算成績は42勝86敗2分け。残り13試合に全敗しても99敗となり屈辱的な「100敗」の可能性を阻止した。
一方で、この試合にはチーム前半戦の成績不振の責任を取り5月26日に休養が発表されていた松井稼頭央監督(48)が約3か月半ぶりに本拠地・ベルーナドームに来場。現役時代から同じ俊足のスイッチヒッターとして自分を慕い合同自主トレを行い、背番号7の後継者となった金子の最後の雄姿を特別観覧席から見守った。
シーズン途中で休養した監督がシーズン中に自チームの観戦に訪れる行動は極めて異例だが、これには深い訳があるようだ。
この日の試合には西武ホールディングスの総帥でもある後藤高志球団オーナーも訪れていた。金子の花道をスタンドから見守った登録抹消中の高橋光成や二軍ナイン、前日に引退試合を行った岡田雅利捕手らも口を揃えて「稼頭央さんに会いました。元気そうでしたよ」と会話を交わしており、松井監督の来場の経緯に球団とのわだかまりなどはないようだ。
そして、西武に近い関係者の話では「松井監督がこのまま西武を退団することはない。何らかのポジションで球団には残る方向。ただ、そのポストはまだ決まっていないようだ」とフロント入りが示唆されている。
球団側からの打診に松井監督自身が前向きな様子はこの日、美緒夫人を伴い金子の引退試合に駆け付けた事実がすでに証明しているだろう。
「先日まで渡米していた事も今後に何らかの関係があるのでは」と予想する声も周囲にはある。
FA選手への引き留め資金不足などにより12球団最多のFA流出者を出している西武ライオンズ。出て行かれるばかりだった〝負の流れ〟を少しでも反転させ、それまで良しとされていなかった一度出ていった人間の〝帰還〟の流れを考案、実行したのは渡辺久信GM兼監督代行(59)がまだシニアディレクターだった2017年オフのこと。
その初陣を切って当時楽天にいた松井稼頭央内野手を将来の監督候補としてチームに戻し、その後の許銘傑二軍投手コーチ(18~20年)、豊田清投手コーチ(20年~)、松坂大輔投手(20~21年)らの復帰の流れにつなげている。
球団にとっての財産ともいえる功労者達の帰還の流れをその〝トップバッター〟である松井監督で途切れさせてしまっては渡辺GM兼代行これまでの努力が水の泡となりかねない。
今後はシーズン終了を待って渡辺GM兼代行の退任後の去就、そして松井監督がどんなポジションでフロント入りするのかが注目される西武だ。
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