【秋場所】琴桜 悲願の初V遠のく3敗…兄弟子・元琴奨菊の秀ノ山親方が見る〝急失速〟の原因
東スポWEB / 2024年9月17日 6時10分
急失速の原因は? 大相撲秋場所9日目(16日、東京・両国国技館)、大関琴桜(26=佐渡ヶ嶽)が幕内宇良(32=木瀬)に屈して痛恨の3敗目。全勝で単独首位の関脇大の里(24=二所ノ関)と3差に開き、念願の初優勝へ後がなくなった。兄弟子で元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40=本紙評論家)は、琴桜が中盤に突然崩れた要因を指摘。大の里との直接対決を残す終盤へ向けて、奮起を促した。
琴桜が痛恨の黒星だ。低く当たった宇良に下から押し上げられ、ズルズルと後退。ほぼ何もできないまま、一方的に押し出された。念願の初優勝が大きく遠のく3敗目を喫した取組後は「狙い? 内容が悪いので、それ以前の問題。迷いはなかった? 別にないです」と意気消沈。10日目以降へ向けて「切り替えます」と言葉を絞り出した。
この日の相撲内容について、秀ノ山親方は「うるさい相手の宇良に対しては、簡単に中に入らせてはいけない。琴桜は相手を見すぎて、腰高になっていたところを攻められた。集中力を欠いて、戦い方をイメージできていなかった」と分析する。
今場所は大関昇進後、初めて初日から4連勝と最高のスタートを切った。ところが、5日目以降は2勝3敗。なぜ、突然崩れてしまったのか。
秀ノ山親方は「序盤は自分の相撲を取り切ることだけに集中できていたけど、その後は相手のことを考えすぎている印象。一つ負けたあたりから、気持ちが守りに入っている。相手を慎重にさばいて、うまく取ろうとする相撲では勝てない」と指摘。精神面の変化を急失速の要因に挙げた。ただ、まだ優勝の可能性が完全に消滅したわけではなく、終盤には大の里との直接対決も残されている。
秀ノ山親方は「大関は結果が求められる立場だけど、そこにとらわれすぎると、重圧に負けてズルズルいってしまう。琴桜は、体格差と馬力を生かした力強い相撲が持ち味。小手先の相撲に頼るのではなく、もう一度、自分の強みを見つめ直してほしい。慌てず、焦らず、自分の力を信じることが大事になってくる」と弟弟子に向けてアドバイスを送った。
今場所は一人横綱の照ノ富士(伊勢ヶ浜)が休場のため不在。出場力士では、大関で東の正位に座る琴桜が番付最高位にあたる。ここから地位に見合った存在感を示すことができるのか。残り6日間で、真価を問われることになりそうだ。
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