【ザ・グレート・カブキ連載#17】スーパースターとの交流は財産…「お尻丸出し」事件もあったなあ
東スポWEB / 2024年9月17日 16時8分
【ザ・グレート・カブキ 毒霧の真実(17)】「ザ・グレート・カブキ」として米国でトップ・ヒールの地位を確立していた1982年は全米各地を巡ってビッグマッチに出場するようになっていました。
この年の12月25日にはジョージア州アトランタのオムニ・コロシアムで、マスクド・スーパースター、スーパー・デストロイヤーと組んで、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ティト・サンタナ組と対戦しました。アンドレに毒霧を浴びせたら「うわー」って叫びながらリング下に落っこちて、お客さんの間を歩き回って大騒ぎになったのがかなり印象的でしたね。
アンドレはリングを降りると、最高にハートのいい人だった。優しくて思いやりもあった。ただね、その代わりに尋常じゃない量のお酒を飲んでいましたよ。ビールなんて、中びんだろうが、大びんだろうが、全部一気に飲んじゃうんだからさ。しかもアンドレは試合前から平気でお酒を飲んでいましたからね。
このころ、ほかにも多くの選手と戦ったり交流したりしました。フランク(ブルーザー・ブロディ)も本当にいいヤツでしたねえ…。すごく気難しいから、触り方を間違えるとダメになることもあるんだけど、自分はフランクが日本に来るときに間に入ったりもしていたからか、すごく仲が良かった。意外にも義理堅い男でした。
よく一緒に過ごしたのがハーリー・レイスです。あれは“トンパチ”で好き嫌いの多い男だった。でも自分とはすごく気が合いました。ハーリーとは家も近くて、一緒に車で仕事に行くことが多かったんですよ。レスラーとしても、とても良かったですね。客を見ながら試合をして…間がいい。緩急を利かせて沸かせていた。どう言えばいいのか。こればっかりはやってる人にしか分からない感覚なんですよ。お客さんの雰囲気を見ながら戦うっちゅうのは…、口ではなかなか説明できない。アンドレもそうだけど、トップを取る人はそれが分かっているからお客さんと“やりとり”ができるんですよ。
そういえば最近“お父さんの七光”で息子(コーディ・ローデス)が活躍しているダスティ・ローデスともよく戦いました。ひょうきんな人でジョークが大好きだった。冗談で生きているような男でした。だから試合をしていても楽しかったですよ。おちょくったような動きをしてくるので。そういえば、アイツがバックドロップしようとしたからタイツに手をひっかけて、お尻を丸出しにしてやったらお客さんに大ウケしたんですよね(笑い)。
ほかにも米国でたくさんのスーパースター選手たちと戦った経験は自分の財産ですね。そんな中、83年には日本に一時帰国することになります。
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