サウジ皇太子が今度は欧州バスケを〝爆買い〟 ＮＢＡに対抗へ「新たな国際市場に拡大する可能性」＝英メディア報道

サウジアラビアのビンサルマン皇太子（ロイター）

世界のバスケットボール勢力図が一変するかもしれない。

英紙「フィナンシャル・タイムズ」は「サウジアラビアのＰＩＦ（公共投資基金）は、スポーツ部門を通じて、欧州リーグと欧州カップの両方を運営する組織であるユーロリーグ・コマーシャル・アセットの株の取得に取り組んでいる。まだ交渉段階だが、１０億ユーロ（約１５８０億円）規模の取引となる。ＰＩＦはジェネラル・アトランティック社と協力し、大会の商業部門のシェアを確保しようとしている」などと報じた。

ＰＩＦはサウジアラビアのビンサルマン皇太子が率いる政府系金融機関で近年はスポーツ界を席巻。ゴルフの高額賞金ツアー「ＬＩＶ」を創設したほか、サッカーやボクシングなどさまざまな競技に巨額投資を続けている。

そして次なる標的となったのがバスケットボールだ。英メディア「インサイドザゲームズ」は「サッカー界とゴルフ界を揺るがしたサウジアラビアは、欧州のバスケットボールに狙いを定めている」とした上で、今後のダイナミックな展開を予測する。

「ヨーロッパ大陸で最高峰のバスケットボール大会にサウジの資金が流入すれば、形勢を一変させる可能性がある。ＮＢＡが優勢な世界のスポーツ界で、同大会が好調となることに役立つだろう。この展開に眉をひそめる人もいるかもしれないが、経済的な後押しによってリーグが活性化し、より多くのスター選手が集まり、大会が新たな国際市場に拡大する可能性は否定できない。サウジアラビアと米国の投資による対決が近づいており、欧州のバスケットボールファンが最大の恩恵を受ける可能性が高い」。欧州ではバスケットボールに力を入れる国が多く、多数の優秀な人材を輩出してきた。これまでは世界最高峰の舞台であるＮＢＡにそうした人材が流出していたが、サウジアラビアの無尽蔵のオイルマネーがバックアップして、ＮＢＡに匹敵する最強リーグができる可能性があるというわけだ。

サウジの進出によって、世界のバスケ界に激震が走りそうだ。