【おむすび】橋本環奈演じる結の言葉遣いに疑問の声 2004年に「１ミリも…」は存在しない？

主人公結を演じる橋本環奈

ＮＨＫ連続テレビ小説の新作「おむすび」の初回が３０日に放送され、橋本環奈演じる高校１年生「結」の明るいヒロインぶりがＳＮＳで視聴者の好感を呼んだ。

ＮＨＫ番組サイトによると、「平成元年生まれのヒロインが、栄養士として、人の心と未来を結んでいく〝平成青春グラフィティ〟」の同作。初回は、平成１６（２００４）年、稲作伝来の地として知られる福岡県糸島で農業を営む家族の娘である結が高校に入学するところから始まった。

海に落ちた少年の帽子を取りに制服のまま飛び込むなど、豪胆な一面も見せた結。後を追って飛び込んできた翔也（佐野勇斗）から無謀さをとがめられて泳力自慢の言い合いに。翔也が「鬼怒川の河童」と呼ばれたと胸を張ると結は笑い、「それは１ミリもほめられとらんて」と断じた。

今や当たり前な「１ミリも」表現だが、Ｘ（旧ツイッター）では「もう１ミリもとか言ってたのか」「１ミリって、この時代言いました？」と疑問の投稿も。

人気アニメ「名探偵コナン」には「１ミリも許さない」とのタイトルの放送回があり、初出は１２年。愛媛新聞ＯＮＬＩＮＥの過去記事では、こうした否定表現に使われる「１ミリ」が同紙に最初に出たのは０６年で、１７年ごろから目立ち始めたという。一方で、Ｘには「調べた」という人から「９０年代半ばくらいには既に使用されていたようです」との報告があった。

結の言葉については、おむすびを食べて「うまっ」にも、「平成１６年の表現ではないなぁ」との指摘もみられた。こちらも現在を舞台にしたドラマでは珍しくもない。２０１０年の文化庁「国語に関する世論調査」がこうした「形容詞の語幹を使った言い方」を取り上げている。用例に「うまっ」はなかったが「寒っ」「すごっ」など５表現が「気になる」か「気にならない」かを聞いており、すでにこの手の言い回しの存在が前提になっている設問だ。良しあしを別として、当時は一定程度定着していたから世論調査の対象になったとみられる。

焼肉ＣＭのメーキング映像で「うまっ」、ビールＣＭでもそんな言葉が聞こえてきそうな飲みっぷりを見せる橋本。朝ドラ初回の「うまっ」はまさに本人そのままのようなセリフだが、「１ミリも」も含めて結は当時、流行の先端をいく女子高生だったのか…。