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サッカー協会がNHKに〝取材禁止〟通告! 02年日韓W杯で起きた「トルシエ憤慨事件」

東スポWEB / 2024年10月3日 14時9分

険しい表情で指をさすトルシエ監督

【多事蹴論92】日本サッカー協会が公共放送「NHK」に日本代表の“取材禁止”を通告した理由とは――。2002年日韓W杯に開催国として出場した日本代表は6月4日のW杯1次リーグ第1戦で強豪ベルギーに2―2で引き分けた。FW鈴木隆行とMF稲本潤一がともに劇的なゴールをマーク。初のW杯決勝トーナメント進出に向けて期待が高まる奮闘を見せた。

そんな激闘から一夜明けた5日、日本代表は静岡・袋井市のベースキャンプ地敷地内のグラウンドで非公開調整を行っていた。協会スタッフらによると、選手はリラックスムードでランニングやストレッチなど第2戦ロシア戦に向けた準備に取り組んでいた。そんな中、爆音とともに姿を見せたNHKの取材用ヘリコプターが練習場の上空を2回ほど旋回し、どこかへ消えていったという。

チーム側は「(ヘリコプターが)通り過ぎるだけならまだしも、わざわざ練習時間に合わせ、しかも旋回していった。意図的なものと受け止めている」と憤慨。チームを指揮するフィリップ・トルシエ監督も公共放送の“フライング取材”に大激怒していたという。

トルシエ監督が日本代表監督に就任して以降、ほとんどのトレーニングは非公開(または冒頭15分間だけ公開)とし、協会側は情報漏えいを防ぐため、水も漏らさぬ鉄壁の態勢を敷いていた。ただ空に壁をつくることはできない。そこで協会はメディア各社に「ヘリコプターによる取材などは自粛してほしい。W杯で日本が勝つために協力してください」と要請していた。そんな中、協会にとっては最も理解ある公共放送局が“おきて破り”を犯してしまった。

この事態を重く見た協会の強化推進本部・加藤彰恒部長がNHKに抗議し、日本代表に関する取材の禁止を通達した。するとNHKは協会に職員を派遣し謝罪。結局は取材禁止は5日のみとするという処分に落ち着いた。ただ、この日は練習こそ完全非公開ながらエースMF中田英寿の取材日。日本代表のキーマンとあって、どんな見解を話すのか注目される中、現場のNHK取材班は指をくわえているしかなかった。

当時、日本代表の取材ではスポーツ紙の記者がスタジアムの裏山に潜んで練習を見ようとしていたことが発覚。私有地侵入などの疑いにより、パトカーで連行されるなど現場は緊張感に包まれていた。また、NHKは00年シドニー五輪前にもマラソン女子の高橋尚子の米国合宿でヘリコプターを使って上空から撮影し、高橋関係者の不興を買ったことがあったという。

トルシエジャパンは徹底した情報管理の成果で第2戦ロシア戦に1―0で勝利。最終チュニジア戦も2―0と負け知らずのグループ1位で初の決勝トーナメント進出を決め、空前の大ブームを巻き起こした。 (敬称略)

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