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【菊地敏幸連載#48】幻の〝阪神ダルビッシュ〟東北高の若生監督とは〝関係性〟温めていたが…

東スポWEB / 2024年10月4日 11時14分

「阪神・ダルビッシュ」は幻に終わった

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(48)】時計を少し巻き戻すことになりますが、2004年のドラフトに関して振り返りたいと思います。すでに触れたとは思いますが、阪神は2枠あった自由枠を使って松下電器の岡崎太一捕手と大阪ガスの能見篤史投手を獲得しました。

岡崎は阪神在籍16年でしたが、一軍出場は119試合にとどまりました。正直、自由枠の選手としては寂しい数字でしょう。ですが、引退後も編成部門でプロスカウトとして活動。今季からは阪神に籍を残したまま日本海リーグ・石川ミリオンスターズの監督として派遣され、就任初年度でチームを優勝に導きました。

能見に関しては皆さんご存じの活躍でした。社会人出身ながら18年にわたって阪神、オリックスでプレーし104勝、1500奪三振など数々の実績を残しました。現在では解説者として度々、声を聞く存在になっています。担当は、私が鳥谷獲りでタッグを組んだ池之上スカウトでしたね。

この年のドラフトは全体でいえば東北高のダルビッシュ有(日本ハム単独1巡目指名)の評価が高かったんです。横浜高の涌井秀章(西武単独1巡目指名)も能力が高かった。今季、ダルビッシュは日米通算200勝を達成しました。涌井は2000奪三振を達成しています。2人とも今季で38歳ですが、現役バリバリです。

実は関西に本拠を置く阪神は大阪・羽曳野出身のダルビッシュの指名も考えなかったわけではありません。ただ、自由枠を2枠使用していますから、現実的に次の指名は4巡目まで権利がありません。阪神は岡崎、能見に続き日本新薬の橋本健太郎投手を4巡目で指名しています。ダルビッシュ獲りを実現させるなら、早い段階で方向性を固めなければいけませんでしたが、可能性はあったんだという事実に触れておきます。

阪神には葛西稔(東北高→法政大、1989年阪神ドラフト1位)が二軍コーチで在籍していました。葛西は当時の東北高の若生正広監督からすれば高校、大学の後輩でもありご縁は深かったんです。若生監督のお兄さん、智男さんは阪神OBで投手として121勝を挙げた名選手です。

私もそれなりに東北高との関係性を温めていました。若生監督からも「菊地さんと葛西がいるなら安心だけどね」とも言われてもいました。今思えば、ダルビッシュはあれだけの注目株でありながら日本ハムの単独指名なんです。当時は故障がちという評価もありましたからね。ただ、阪神が裏でうまく仕事をしていればタテジマを着ていた可能性もなくはなかったのかもしれません。

ただ、どの世界にも相性というものがあります。若生監督と阪神のある人物との関係性が良くありませんでした。野球界は狭いですからね。アマ時代にウマが合わなかった選手がアマ指導者とスカウトの立場になれば、スカウティングがうまくいくはずもありません。

当該の人物はダルビッシュのことを良く言いませんでした。評価していないコメントをマスコミに話しては、獲らないようにと持っていくわけです。そんなことで大事なドラフトの指名方針が決まるなんて、現場としてはたまったものではありませんね。

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