元暴走王・小川直也氏が経験した〝JUDO〟の苦い思い出「ちょっと、やることが早すぎかなあ」
東スポWEB / 2024年10月6日 6時0分
バルセロナ五輪柔道銀メダルで、プロレスラーとしても活躍した〝元暴走王〟小川直也氏(56)が、自身のユーチューブチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」を更新。「JUDO」を始めた当初の苦い思い出を語った。
「柔道部物語」や「1・2の三四郎」シリーズで知られる漫画家の小林まこと氏と対談した動画の中で、柔道を始めた頃のエピソードを披露。小川氏は少年時代に剣道や競泳に励んでおり、競技開始は高校1年生になってからだった。それからわずか4年8か月後、1987年11月の世界選手権(エッセン)無差別級を制する。
19歳7か月で世界王者は、当時の最年少記録だ。ところが小川氏が置かれた立場は〝柔道界に超新星現る〟ではなかった。「柔道ひと筋ではなかったし、違和感がある感じ。今ならいろんなスポーツやって柔道をやるのもアリじゃないとなっているけれど、当時は一から柔道をやらないと『柔道家じゃない』ぐらいの違和感があった。やっぱり自分の理想じゃない人が現れたと」と、当時から柔道界の〝異分子〟だったと振り返る。
さらに柔道関係者からは小川氏の家族構成、血液型などさまざま質問をぶつけられた。「いろんな先生がいろいろ探ってくる。何なんだ、これはと思った。データを入れたかったのかな」と〝異分子〟に対しての調査も行われたという。「外者(そともの)みたいな感じだった。柔道界の常識を覆されたという感じで」と苦笑いする。
柔道界の懐疑的な目は、小川氏の組み手にも向けられた。「当時の柔道は(柔道着の)襟の位置を、耳の横くらいに持つのが普通だった」が、小川氏は「いきなり背中を持ったり、奥(襟)を持ったりして。外国人みたいな(組み手)だった。『柔道』をしていなくて、今でいう『JUDO』から入っている。『基本もクソもないぞ』みたいに当時、思われていた」と、歓迎されたわけではなかった。
日本の「柔道」と世界に広まった「JUDO」の違いは〝疑惑の判定〟が続出したパリ五輪でも注目された。今より断然に「柔道」への意識が強かった時代。柔道歴が浅かった上に、世界選手権無差別級には代打で出場したこともあり、最年少Vも受け止められ方も「まぐれっぽい感じ」。小川氏は「なかなか認められなかったのも事実。『あれは柔道じゃないくらい』言われちゃって。今なら普通の柔道だけど。ちょっと、やることが早すぎかなあ」と、笑みを浮かべながら振り返った。
これに小川氏を自身の作品に登場させたこともある小林氏は「俺はめっちゃ最初から好きだった。今までの山下(泰裕)さんとは違う柔道が出てきた。これは面白いなと」と評していた。
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