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アスレチックスのラスベガス本拠地移転は正解 一歩外に出れば…オークランドでの恐怖体験

東スポWEB / 2024年10月7日 11時35分

オークランド・コロシアム(ロイター=USA TODAY Sports)

【球界こぼれ話】先月26日(日本時間27日)、米メジャーのア・リーグに所属するオークランド・アスレチックスが本拠地移転のため57年間に及んだ同地での戦いに幕を閉じた。

最終戦には4万6000人を超える大勢のファンが本拠地オークランド・コロシアムに来場。歴代OBらとともに最後の試合を見届けたという。こうしたチーム移転の話を聞くと通常であれば感傷的になるものだが、この球場を知る関係者に言わせればそんな感情はおそらく浮かばないだろう。同球場周辺は全米でも治安の悪さが有名だったからである。

イチロー氏や松井秀喜氏が現役だった頃にこの球場を何度も訪れたが、当時から球場とその周辺の治安は最悪そのもの。ナイター後に車で街中にある宿泊先へ戻る途中には薬物中毒者や路上生活者がたびたび出没していた。ホテル周辺も昼間はともかく夜中に出歩くことは自殺行為で、車で最寄りのガソリンスタンドに行くことすら困難だった。

一度だけ空腹に耐えられず、ナイター後の深夜に宿泊先から徒歩数分の距離にある中華料理店に足を運ぼうと試みたが、ホテルのロビーから一歩足を踏み出した瞬間、複数の不穏な人影が近寄ってきた。すぐにホテル内に戻るとフロント従業員から真顔でこう告げられたことを今も鮮明に覚えている。

「この周辺はギャングが多い。住民ですら夜は出歩かないからやめた方がいい」

泣く泣く外出を諦めたことは言うまでもない。過去に劣悪な治安で有名なセントルイス中心部や「ゾンビタウン」の異名を取るフィラデルフィアでも銃声や粗悪行為を目の当たりにしたが、オークランドもそのレベルに匹敵する。

現在は橋を渡った対岸にあるサンフランシスコの急激な治安悪化により「ここ数年、さらに危険なエリアが拡大している」と今春、米在住ライターが嘆いていた。この影響もありファンの足も遠のくばかりで、アスレチックスの今季本拠地観客動員数はメジャー全30球団中最下位の92万2286人。そんな惨状なのだからオークランドからのチーム移転は当然の結果と言わざるを得ない。

2028年から新本拠地となるラスベガスはギャンブルの街として知られるが、治安は比較的良好。新球場建設予定地も主要ホテルが立ち並ぶエリアから徒歩圏内とアクセスもいい。

来季から3シーズンはカリフォルニア州サクラメントを暫定本拠地とするものの、今後は移転によりさまざまな面で改善を期待できるアスレチックス。劣悪環境からの脱却で通算9度の世界一を誇る古豪は復活を遂げるのか。いろいろな意味で行く末に注目したい。

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