メキシコ南部の市長 就任6日で首切断の遺体で発見…止まらない麻薬カルテルの政治家襲撃
東スポWEB / 2024年10月9日 6時5分
メキシコ南部ゲレロ州の州都チルパンシンゴのアレハンドロ・アルコス市長が6日、殺害された。43歳だった。遺体はトラックの中で発見され、切断された頭部はボンネットの上に置かれていた。1日に市長に就任したばかりだった。州司法長官事務所は殺人事件として捜査を始めたと述べた。
アルコス氏は殺害された当日、ハリケーン「ジョン」で被害を受けたチルパンシンゴ地区を訪れていた。約28万人が暮らすこの都市では、3日に市政府書記官フランシスコ・タピア氏が射殺される事件が起きたばかりだった。
メキシコ事情通は「ゲレロ州は観光地のアカプルコがある一方、地方政治家やジャーナリストにとって最も危険な州の一つです。この地域は長い間、麻薬カルテルの抗争が絶えません。チルパンシンゴの前市長は、麻薬カルテルと通じていたため、所属政党を追放されました。アルコス氏は治安回復を掲げていました」と語る。
メキシコの6月の選挙に先立ち、同州では少なくとも6人の公職候補者が殺害された。選挙期間中、麻薬カルテルは少なくとも34人の候補者を殺害した。選挙後も暴力は続き、クラウディア・シェインバウム氏がメキシコ大統領に選出されてからわずか数時間後にミチョアカン州の町コテハの女性町長が射殺された。
メキシコシティのコンサルタント会社インテグリア・コンサルタンツによると、メキシコの麻薬カルテルは法執行機関や地元経済と密接な関係があり、市長が麻薬カルテルに免責を与えることができるため、政治的な理由で地方政治家を襲撃しているという。
「麻薬カルテルは選挙の時に候補者を資金援助したり、脅迫したりして、政治家を言いなりにさせる。アルコス氏は言いなりにならなかった市長だったので、殺害されたということです。前市長は癒着し、言いなりになっていました」と同事情通は指摘する。
メキシコ紙「ユニベルサル」は7日、アルコス氏の葬儀を報じた。前市長が弔問に訪れると、一般弔問客から「裏切り者、裏切り者」「あなたは自治体を譲渡したのだ」「出ていけ」などと大ブーイングが巻き起こったという。
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