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【菊地敏幸連載#50】野茂英雄、佐々木主浩、新庄剛志、古田敦也…大豊作だった89年ドラフト

東スポWEB / 2024年10月9日 11時0分

野茂は史上最多8球団競合の末、近鉄に入団した

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(50)】ネット番組に出演した際には共演者ともいろんな話をさせてもらいましたね。2018年春の東京六大学リーグ戦の解説を務めた際にはロッテ、早大野球部OBの小宮山悟とトークをさせてもらいました。ちょうどこの翌年の春に小宮山は母校の監督に就任することになりました。

あくまで六大学リーグの試合の解説が仕事であるのですが、話題は小宮山自身が指名された1989年ドラフトへと流れました。この年の目玉は何といっても新日鉄堺の野茂英雄(近鉄1位)でしたね。史上最多となる近鉄、オリックス、日本ハム、ロッテ、横浜大洋、阪神、ヤクルト、ダイエーの8球団が競合。抽選の末に近鉄が交渉権を得たのは今では伝説です。

それまでは79年ドラフトの早大・岡田彰布(阪神1位)と85年のPL学園・清原和博(西武1位)の6球団競合が最高でしたが、8球団とは…。翌90年の亜大・小池秀郎も8球団競合でロッテが交渉権を得ていますが、入団拒否という事態もありました。

話を元に戻します。89年ドラフトでロッテから野茂の外れ1位で指名されたのが小宮山でした。小宮山は「自分で言うのも何ですが、おそらくドラフト史上、最高の豊作の年」と自画自賛していました。その見解は間違いないと私も同意したものです。

オールドファンからすれば68年の第4回ドラフトが史上最高という人も多いでしょう。この年にプロ入りしたメンバーからは何と7人の名球会入りメンバーが誕生していますからね。阪急1位の山田久志さん(富士製鉄釜石)に同2位の加藤秀司さん(松下電器)、さらに同7位の福本豊さん(松下電器)というのは驚異です。

他にもロッテ1位の有藤通世さん(近畿大)、西鉄1位の東尾修さん(箕島高)、中日3位の大島康徳さん(中津工高)、広島1位の山本浩司さん(法大)が名球会です。ミスタータイガースの阪神1位・田淵幸一さん(法大)、阪神元監督で中日1位の星野仙一さん(明大)ら7人もの監督経験者を輩出したことも特筆すべき点です。

それでも私がスカウトとして1年目だった89年はやはり印象に強く残っています。1位指名だけをとっても野茂に続き横浜大洋・佐々木主浩(東北福祉大)、広島・佐々岡真司(NTT中国)、ロッテ・小宮山悟、西武・潮崎哲也(松下電器)という面々が並びます。

2位以下ではヤクルト2位・古田敦也(トヨタ自動車)、日本ハム2位・岩本勉(阪南大高)、近鉄3位・石井浩郎(プリンスホテル)、広島4位・前田智徳(熊本工高)、阪神5位・新庄剛志(西日本短大付高)とスーパースターの名前がゴロゴロと出てきます。

野茂、佐々木、新庄、小宮山と4人のメジャーリーガーを生み出した事実は現代野球の象徴ともいえます。ちなみに、この年はダイエーから1位で指名された元木大介(上宮高)は入団拒否で、翌年に希望していた巨人入りを果たすなど話題にも事欠かないドラフトでしたね。

私はスカウトの仕事に就いてから、いまだにあの年はナンバーワンだったと思います。即戦力の投手が10人ぐらい存在しましたからね。年によってはドラフト1位候補の12人を選ぶのが大変というシーズンも存在しますから。

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