【ソフトバンク】小久保監督「物足りない」 宮崎視察の目的だった広瀬隆太の今に苦言
東スポWEB / 2024年10月10日 21時40分
ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)が10日、秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」の視察を終えて帰福した。16日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに向けて実戦調整のため参戦した柳田、山川の動きをチェック。主力の順調な調整ぶりに、パ王者として臨むポストシーズンに自信を深めた。
福岡でCSに向けて調整中の一軍本隊から離れて、わざわざ宮崎へ足を運んだ。目の前の戦いも大事だが、常勝再建を託された将は「その先」を見据えている。宮崎視察の目的――。その一つがまさしく「その先」を担うであろう若鷹たちの「今」を確認することだった。シーズン中、一軍を経験させた選手たちにはそれぞれ要所でメッセージを託して二軍に戻した。一定の達成感と悔しさを胸にファームで奮闘する若手が、今どんな姿で野球に向き合っているのか。それを確認するためだった。
今季一軍でチャンスを与えた若手の中には、指揮官が想定していた成長ラインを超えた選手も少なくなかった。主力を脅かす若手の台頭は、なによりチームの競争力を高める。最も期待をかける選手と言っても過言ではないのが、ドラフト3位ルーキーの広瀬隆太内野手(23)。レギュラーの牧原大、さらに三森と二塁手が相次いで負傷離脱する中で出番を得て今季35試合に出場。打率2割3分3厘、2本塁打、9打点という数字以上に「一軍戦力」として一定の力を示した。その広瀬の現在地に、指揮官はこの日はっきりと苦言を呈した。
報道陣の問いかけに対する答えから外れ、自ら切り出すように発せられた言葉には強いメッセージが込められていた。「今年一軍に何人か預かった選手で、この時期どういう姿かなというのが気になっていた。(二軍監督の)松山さんと昨日、今日とかなり濃い話ができたのは収穫。広瀬を一軍で預かって、ひょっとしたらこのまま戦力になりそうやなってところから牧原がケガから戻ってきて、そこで『併用しない』と決めて(二軍に)落として、その姿がちょっと物足りないというのは…。普通、一軍経験してきたら『よし来年つかめそうやな』みたいなのが出てもいいと思ったんですけど。いい(形で)階段を上がってほしいなという中で、そこは見られなかった」。
一人の選手に対してこれだけ言及するのは、言わずもがな期待の裏返しだ。かつて名将の名を欲しいままにした故・野村克也氏は「無視」「称賛」「非難」の順に使い分けて選手の成長を促した。広瀬も一定のラインを超えたからこそ「非難」に値する選手と認められたに違いない。宮崎で放たれた苦言は、愛情いっぱいの強烈なメッセージだった。
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