小川直也氏 デビュー戦は猪木さんの〝超ムチャぶり〟「橋本真也の対戦相手がいなくなった…」
東スポWEB / 2024年10月12日 5時10分
バルセロナ五輪柔道銀メダルで、プロレスラーとしても活躍した〝元暴走〟小川直也氏(56)が、自身のユーチューブチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」を更新。師匠の故アントニオ猪木さん(享年79)から受けた〝超ムチャぶり〟について振り返った。
「柔道部物語」や「1・2の三四郎」シリーズで知られる漫画家の小林まこと氏と対談した動画の中で、プロ転向時のエピソードを明かした。5位に終わった1996年アトランタ五輪を最後に柔道を引退。翌97年2月には、所属していた日本中央競馬会(JRA)を退職し、リングに戦いの場を求めた。
小川氏によると「最初は半年間くらい修業して来年にデビューしようか、1年間くらいは(修業する)、という話だった」。プロ転向前の計画では、準備期間を置いて翌98年にデビューする予定だったという。
だがプロで小川氏を指導したのは猪木さんだ。そんな悠長なことを許すわけがない。97年2月の報道では、「無責任な言い方かもしれないが、柔道界でネームバリューのある小川がプロレス入りするってのは橋本(真也)や武藤(敬司)にとっても大チャンス。まず戦って勝てば、アイツらの名前も上がる」などとコメント。だが猪木さんは「無責任な言い方」を現実にしてしまう。
新日本プロレスのIWGPヘビー級王者で〝破壊王〟こと橋本は、同年4月12日の東京ドーム大会でウェイン・シャムロックとの異種格闘技戦が予定されていた。ところが「シャムロックがキャンセルして、橋本真也の対戦相手がいなくなった」(小川氏)。そこで猪木さんから突如、「お前、試合決まったぞ」と告げられたという。
小川氏は「えっ? いつですか?」と返すと、猪木さんは「(4・12東京)ドームだ」と返してきたとか。数週間前までサラリーマンだった小川氏は「こないだまで(デビューまで)半年とか、1年間とか『長いスパンで』だったのに…。めまぐるしかったね」とあぜん。JRA職員が2か月足らずの準備期間でリングに上がる。いくら元柔道世界王者とはいえ、相手は当時プロレス最強と目された破壊王だ。「一寸先はハプニング」を地で行く猪木さんらしい超ムチャぶりだが、小川氏はデビュー戦で橋本を破る大金星。これが契機となり、後の遺恨抗争からOH砲結成へとつながっていった。小川氏も「そういう意味ではラッキーだったね」としみじみ語った。
一方、かねて親交のあった小川氏のプロレス転向に、小林氏は「スポーツ紙を見てマジに万歳した。それから(小川氏から)電話があって、『そういうことになりまして』と。そこから大応援ですよ」と、笑顔で当時を懐かしんでいた。
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