【Ｆ１】アストンマーティン・ホンダの〝ＰＳＧ化〟を元王者が懸念「ＣＬで優勝できなかった」

ニコ・ロズベルグ氏（ロイター）

Ｆ１アストンマーティンが２０２６年から発足するホンダとのコンビへ向けて巨大補強を進める中で、元王者がサッカーのフランス１部パリ・サンジェルマン（ＰＳＧ）の二の舞になると懸念を示した。

ホンダとタッグを組むことになるアストンマーティンは、大争奪戦になっていた〝天才マシンデザイナー〟エイドリアン・ニューウェイ氏を５年総額１億５０００万ポンド（約２８０億円）の超破格契約で獲得。他にも多くの有能なスタッフをライバルから引き抜き、２億ポンド（約３７１億円）を投じてオープンした最新鋭ファクトリーなどを含めて、無尽蔵の資金力を誇るオーナーのローレンス・ストロール氏が〝銀河系軍団〟を目指していると話題になっている。

そうした中で、元王者のニコ・ロズベルグ氏は、アストンマーティンをサッカー界の銀河系軍団として知られるＰＳＧにたとえた。

英スポーツ専門放送局「スカイ」でロズベルグ氏は「サッカーのＰＳＧを見てみなよ」と切り出すと、こう続けた。「彼らには（リオネル）メッシ、ネイマール、キリアン・エムバペの３人が同時にいた。史上最高のサッカー選手３人がいて、さらに他の選手たちも皆とても優秀だった。だけど彼らはチャンピオンズリーグ（ＣＬ）で優勝できなかった」と超巨大戦力を有しても、最高峰の舞台で頂点に立つことはできなかったとズバリ指摘した。

「最高の天才、最高の監督をチームに迎え入れることは素晴らしいことだ。しかし、彼らはうまく溶け合い、最適に連携して働く必要があります。チーム全体の連携がどれだけ優れているかによってのみ、成果は決まるからだ」と成功のためにはビッグネームを集めるだけではなく、融合が必須だと強調する。

「エイドリアン・ニューウェイ一人では、その車をチャンピオンシップで優勝できる車にすることは不可能だ。彼にはチームの残りのメンバーの協力が必要だ」と総合力を高めることの重要性を説いた。

世界のみならず日本でも大きな注目を集める〝アストンマーティン・ホンダ〟。巨大補強の結果がどう出るか楽しみだ。