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【菊地敏幸連載#53】なぜ坂本勇人を強く推せなかったのか…阪神ドラ1の自主トレ視察後に後悔

東スポWEB / 2024年10月16日 11時1分

ジャイアンツ寮の素振り部屋でポーズをとる坂本勇人(右は金刃)

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(53)】読者の方々には長らくお付き合いいただきましたが、この連載コラムも今週でお開きとなります。もう少しお付き合いください。

今回と次回は取り逃がして悔しさが残る選手。そんなテーマで語らせていただきます。いまさら、過去を変えることはできないのは承知です。それでも、巨人で現在も現役で活躍している坂本勇人内野手、長野久義外野手についてのエピソードをあえて取り上げさせていただきます。もし、彼らが阪神に入団していた世界があったとすれば、歴史は変わっていたかもしれないですね。

ドラフト年度で言えば2006年の出来事でした。この年は高校生と大学・社会人の分離ドラフトでした。高校生の目玉は駒大苫小牧の田中将大投手(楽天入団↓ヤンキース↓楽天)と八重山商工の大嶺祐太投手(ロッテ入団)でした。

私は当時、阪神の東日本統括スカウトの肩書で広範囲の選手をカバーする立場にありました。青森県も私の担当エリアでした。その年の高校生で言えば、光星学院の坂本が抜けていました。守備、打撃、走塁、体のキレ、野球センスのどれをとっても一級品です。ただ、文句なしに甲子園に出場してくるものと思っていたため、予選をカバーしていませんでした。

するとあろうことか、県大会の決勝で青森山田に負けてしまうんです。なんで負けたの? どの球団のスカウトも同じように思っていたはずです。私の評価では超A級だったのですが、甲子園に出場してこなかっただけで情勢は大きく変わりました。

ドラフト本番では巨人、阪神、中日がそろって愛工大名電の堂上直倫内野手を1位指名しています。私の頭の中では坂本だろと思いながらも…。

当時の巨人の担当は大森スカウトでした。彼は自分の進退を懸けても坂本勇人で勝負したいと上司に直訴したといいます。結果、外れ1位で坂本の交渉権を獲得しました。それは偉かったなと思っています。

阪神は外れ1位で長崎日大の野原将志内野手を指名しています。阪神の九州担当だった永尾スカウトが強く推していましたし、そういうものかと思い見守っていました。

ただ、入団後の自主トレを視察して、坂本とは動きから何から違うと感じてしまいました。阪神の補強ポイントはショート。期待されて入団してきた野原には何ら責任はありませんが、なぜもっと坂本を強く推せなかったのかと後悔が残りました。

たらればはないですが、坂本が夏の甲子園に出場していれば3、4球団競合していたと思います。そこで勝負して抽選を外したなら諦めもつくとは思うんですが。

甲子園に出場しなかったからといって実力が変わるはずはないんですよ。でも、やはり最終学年で全国大会に出場してくるか否かで印象は相当に変わります。背景としてはファンが納得しやすいということもあります。甲子園がホームの阪神ですからね。

そして、この年の大学・社会人ドラフトで日本ハムの4巡目指名を拒否した選手がいます。それが日大の長野なんです。巨人志望だった長野は09年のドラフトで念願かなうことになるのですが、ここにもドラマがあるんです。

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