【パCS】ソフトバンク・近藤健介が〝ぶっつけ〟復活 チームがダブらせた「偉大なOB」
東スポWEB / 2024年10月17日 5時5分
投打ががっちりとかみ合った。ソフトバンクが16日のCSファイナルステージ第1戦(みずほペイペイ)に臨み、日本ハムに5―2で快勝。先勝でアドバンテージも含め2勝0敗とし、4年ぶりのCS突破へ向けて優位に立った。
先発の有原が7回2失点と好投すれば、打線は山川が3回に決勝打を放ち、4回には今宮のソロで加点。5回は栗原が中押しのソロで相手の戦意をそぎ、8回に山川がトドメの一発で引導を渡した。
日本一奪回に向けて手負いの状態でチームの士気を高めたのが「5番・DH」で先発出場した近藤健介外野手(31)だった。9月16日のオリックス戦で右足首を捻挫。全治は2~3か月程度とみられていた。ぶっつけ本番での出場を志願し、首脳陣が決断したのは試合前練習の終了後。試合開始2時間前にオーダーが決まるのはまさに異例だった。
そんな中、2回の第1打席では3連打で先制点につながる中堅フェンス直撃の二塁打。球場は割れんばかりの歓声に包まれ、自軍ベンチでは柳田らナインが拳を突き上げた。これには王会長も「小刻みな点の取り方が効いた」と目を細めるばかりだった。
メディカル部門を含めた慎重な判断を経てスタメンに名を連ねた。「もちろん(見切り発車の)リスクがあるのは分かってますが、そこ(CS初戦)にいけるようにと思ってやっています」。近藤はCS前の全体練習に加わった時点で、腹はとっくに決まっていた。一方で「迷惑をかけたり、足を引っ張るようだったら自分で判断しないといけない」と、チームの戦略や戦術に制限をかけるなら個人の思いを封印するつもりだった。
チーム内には今回の近藤の復帰を巡って、ある偉大なOBとダブらせる声は少なくなかった。現R&Dスタッフの長谷川勇也氏は2013年に首位打者と最多安打を獲得したが、翌年9月に右足首を負傷。ポストシーズンに強行出場して日本一に貢献したが、その後、悲運な野球人生を送った。だが、長谷川氏は「監督、チームに求められて戻った。それが野球人としてはすべて。野球人生を振り返って後悔は一つもなかった」という言葉を後輩や復帰を後押ししたスタッフに残した。
近藤が日本ハム時代から尊敬してきた人物こそが長谷川氏だった。〝鷹の魂〟を受け継いだ近藤が復活劇でチームを鼓舞したのは必然だったのかもしれない。
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