【ザ・グレート・カブキ連載 最終回】“息子”グレート・ムタ引退で毒霧もヌンチャクも封印

居酒屋も閉店し穏やかな日々を過ごしている

【ザ・グレート・カブキ 毒霧の真実（最終回）】２０１７年１２月、プロレスリング・ノアの後楽園ホール大会で「ＫＡＢＵＫＩ ＴＨＥ ＦＩＮＡＬ」としてラストマッチに臨みました。２度目のレスラー引退です。しばらくは自分の店「ＢＩＧ ＤＡＤＤＹ酒場 かぶき うぃず ふぁみりぃ」に立ちながら、オファーがあれば、ザ・グレート・カブキとして、ヌンチャクなどのさまざまなパフォーマンスを披露していましたね。

古巣でもある全日本プロレスで最後にパフォーマンスを実施したのは、２２年９月１８日に日本武道館で開催された５０周年大会でした。カブキとなって「お祝いの舞」を披露したんですが「これで全日本に上がるのも最後だろうな」と思うと感慨深かったですね。それで予定にはなかったんですけど「毒霧、噴いていいもんなのかな？」って思い浮かんで。どうなるかわからないけど「ええい、最後だからいいや。噴いちゃえ！」ってね。そしたらお客さんが予想以上に盛り上がってくれたからうれしかったです。

これからの全日本は今まで通りでいいと思いますよ。どんどん内容を変えて、いろんなことを試みてやっていけばいいんじゃないかな。この間、２４年８月２４日に越中詩郎のデビュー４５周年記念大会で、久しぶりに全日本の会場に行ったんですよ。そしたらお客さんもよく入っていて安心しました。今の全日本は明るい感じがするよね。「今のプロレス」をやっていると思いますよ。今の選手たちには、このまま頑張ってほしいですね。

そして２３年１月には武藤敬司の引退に先駆けて自分にとって“息子”であるグレート・ムタがついに引退し、そこで自分はヌンチャクと毒霧を披露しました。自分のパフォーマンスは、あれがラストです。息子のためにやるのが最後っていうのもいいんじゃないかなって思ってね。息子の引退とともに封印ですよ。

あれが本当に最後の最後。３度目の引退みたいな気持ちでしたよ。まあ、どこかで区切りをつけないといけないわけで、いつまでダラダラとやっていても仕方がないですから。最高のタイミングになったから、ムタには感謝しています。

１９９８年に最初の引退をした後、オープンした居酒屋も昨年１２月２７日で閉店しました。お客さんは来てくれていたんですけどね。いろいろなタイミングが重なったんだけど、一番はやっぱり年齢ですよ（笑い）。もう戻る気持ちはありません。これからは孫の子守をしながら、のんびりと過ごすつもりです。

プロレス界の今後ですか？ 自分はもう、関わる気もないですし、年齢的にもリングには戻れません。だけど、もっともっと盛り上がって、華やかになることを祈っています。（終わり）