【セCS】DeNA先発・浜口遥大の〝早期降板〟に見た三浦監督の焦り
東スポWEB / 2024年10月21日 5時5分
DeNAは20日の巨人とのCSファイナルステージ第5戦(東京ドーム)に0―1で惜敗。自慢の打撃陣が勝負どころで機能せず、対戦成績を3勝3敗の五分に戻された。シリーズ全体の流れが徐々に巨人側へ傾く中、「三浦監督の焦りが采配にも表れてしまった」と本紙評論家の伊勢孝夫氏は指摘した。
【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】この日のゲームのポイントは2つ。まずは相手守備の乱れにも助けられ、一死三塁の好機を迎えた7回のDeNAの攻撃について触れたい。スコアは0―1の1点ビハインド。巨人内野守備陣が当然のように前進守備を敷く中、森が放った打球は遊撃手・門脇のほぼ真正面へ。三走の桑原もいいスタートを切っていたが、打球が強過ぎたことと本塁への送球がやや三塁寄りにそれたことも災いし、タッチアウトとなった。
悔いが残る場面ではあっただろうが、投手のレベルが格段に上がり配球もきめ細やかになった現代野球において「犠牲フライくらいは打てただろう」といった批判は酷というものだろう。どのような場面でも、確実に外野へ打球を飛ばせるだけの卓越した技術を備えた打者といえば、私が知る限りでは落合博満(元中日)ただ一人しかいない。だからこそ彼は現役時代に3度も3冠王に輝けた。
もう一つのポイントは5回の攻防だろう。DeNA先発の浜口(遥大)は4回1安打無失点と好投を続けていたが、一死一塁で打席が回ってきた場面で代打・フォードと交代。結果的には三飛に倒れ、次打者・梶原も二ゴロに終わって3アウトチェンジ。早いタイミングからの仕掛けは不発に終わってしまった。
その裏の巨人の攻撃で2番手としてマウンドに上がった山崎は、先頭打者の中山にインハイの直球を捉えられ決勝のソロアーチを被弾。一連の決断が勝敗を分けた格好だ。
三浦大輔監督の「焦り」を感じる一幕だった。走者がスコアリングポジションに進んでいたわけではないし、この時点でスコアは0―0の同点。前夜19日の第4戦で守りのミスから手痛い形で星を落としたこともあり、シリーズ全体の〝潮目〟の変化を感じていたのではないか。「何が何でも先制点が欲しい」という気持ちが裏目に出たとみる。
紙一重のプレーで同点に追いつけなかった7回の攻撃が象徴しているように、今のDeNAはツキにも見放されつつある。三浦監督の「流れを読む力」が正しかったことは皮肉にも証明されてしまった。
(本紙評論家)
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