【衆院選】自民・丸川珠代氏 蓮舫氏から「裏金」徹底追及も…討論会で語った〝弁明〟の中身

くしくもともに白のジャケット姿で登場した自民・丸川珠代氏(左)と蓮舫氏

蓮舫前参院議員が復活だ。７月の東京都知事選以来、表舞台での活動をしていなかった蓮舫氏が２１日、衆院選（２７日投開票）の応援演説に姿を現した。戦闘服である白のジャケットに身を包み、かつてタレント時代に共演した元テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代氏に対して厳しい指摘を繰り広げた。一方、丸川氏はこの日の討論会で裏金疑惑に反論した。

東京・ＪＲ恵比寿駅前に蓮舫氏が現れると支援者らが笑顔を見せた。渋谷区と港区からなる東京７区には立憲民主党から松尾明弘氏が立候補。蓮舫氏は松尾氏の応援のために、都知事選以来となるマイクを握ったのだ。松尾氏によれば、蓮舫氏から「行くよ」と志願があったという。

都知事選後の７月１２日にＸ（旧ツイッター）で蓮舫氏は「私にとっては神聖な戦闘服？ 白いジャケット、たくさんリサイクルに出しちゃった。さあ、すっきり」と投稿しており、この日の服装が注目されたが「久しぶりに白いジャケット着ました」と、かつてと同じ白いジャケットを着用。つまり、戦闘モードだ。

マイクを握ると蓮舫氏はこの選挙区から自民党公認で立候補している丸川氏について「実はすごく深い歴史がある。彼女が民放のアナウンサーとして入社した時に、最初に所属された番組が私がキャスターを務めていたニュース番組でした。元気で頭が良くて、そしてチャレンジャーで、やる気もある。期待の新人だった」と明かした。

思い出はいくつもあるが、丸川氏の裏金疑惑については疑問があるという。「（不記載が）８２２万円。『気づかなかった』。気づかない額ですか？ 気づかない額では決してない。自分の私的口座で管理をしてた。それ皆さんがやったら雑所得でしょう。収入でしょう。申告して納税をしないといけないんじゃないですか」と訴えた。

さらに、「このことを皆さん、今回の総選挙で気づかせたらいかがでしょうか。自分で分からないというのであれば、皆さんの声で目覚めさせてあげたらいかがでしょうか」と呼び掛けた。

丸川氏への厳しい言葉を並べ、都知事選の時に指摘された「怖い蓮舫」も復活とも思えたが、終始、柔和な表情での演説だ。応援を受けた松尾氏は「蓮舫さんに激励してもらってやる気が出ました」とニンマリ。２２日も立憲候補の応援に入る予定で、選挙終盤戦は復活した〝ニュー蓮舫〟の姿がほかでも見られそうだ。

一方、蓮舫氏にバッサリとやられた丸川氏はこの日、東京青年会議所主催の討論会に出席。裏金疑惑について語った。蓮舫氏が指摘していたように裏金を自分の口座で管理していたとされているが、丸川氏は完全否定。

「個人の口座で管理していません。メディアで取材された時に『現金でなく口座で管理していました』と言ったのですが、（一部メディアが）私が言っていない『自分の』をつけたんですね。ネットニュースなどで『個人の（口座）』って広がっていった状況なんです」（丸川氏）

なんと誤報があったというのだ。これにはほかの候補者や討論会の司会者から「抗議して白黒つける必要がある」との声が上がり、丸川氏も「機会があれば」と前向きに返答。丸川氏の裏金疑惑はメディアを巻き込んだ新展開となりそうだ。

この選挙区には松尾氏と丸川氏のほかに、参政党の石川友梨香氏、日本維新の会の小野泰輔氏が立候補している。