【Ｆ１】角田裕毅のレッドブル昇格〝ほぼ消滅〟 人事権持つホーナー代表がローソンにゾッコン

アメリカGPで流れが変わってしまった角田裕毅（ロイター）

Ｆ１のＲＢに所属する角田裕毅（２４）が、２０日（日本時間２１日）に行われた米国グランプリ（ＧＰ）決勝で痛恨の凡走で１４位に終わり、親チームのレッドブルへの昇格が〝ほぼ消滅〟したとの観測が広まっている。

角田は１０番手からスタートして直後は順位を上げたものの、タイヤが想定を上回るほど劣化。１８周目と早めのピットインを強いられることになった。さらに終盤には、マシンのコントロールを失ったことで自らスピンして万事休す。入賞圏内でスタートしながら戦略に加えて自身のミスも重なり、１４位と大きく順位を下げる失態を演じた。

一方で、解雇されたダニエル・リカルドに代わって正ドライバーに昇格した同僚のリアム・ローソンが驚がくの走りを披露。昨季の代行を経て再デビューとなった初戦、しかも初体験のコースにもかかわらず、パワーユニット交換の規定による最後尾スタートから驚異のごぼう抜きを見せ、９位入賞の快進撃を見せた。

角田とローソンの今季残り６戦（米国ＧＰを含む）での結果を受けて来季のレッドブル昇格が検討されるとみられる中で、早くも初戦で〝勝負アリ〟のムードが漂っている。レッドブルグループの人事権を掌握するクリスチャン・ホーナー代表が、ローソンに最上級の激賞をしたからだ。

米メディア「ＳＢネーション」によると、ホーナー代表は「復帰初戦でフェルナンド（アロンソ）と口論になり、肘を突き出すような展開になれば上出来だ。そして彼は１９位から９位まで順位を上げた。素晴らしいレースをした」「彼は速かった。勇敢だった。彼にとっては素晴らしいカムバックだった」と絶賛した。

さらに、別の選手の話題から自ら話をローソンに引き戻し「これまで一度も走ったことのないコースで、速いチームメートを相手に、グリッド最後尾から９位まで順位を上げたんだ。素晴らしいパフォーマンスだよ。彼が飛び込んできたと思ったし、正直に言ってベテランのように見えた。彼は素晴らしいレーサーだ」と賛辞は止まらず、もうローソンに〝ゾッコン〟の状態だ。

英紙「ミラー」は、英スポーツ専門放送局「スカイ」の重鎮解説者であるマーティン・ブランドル氏の見解を報道。「これこそ、まさにローソンが発揮すべきパフォーマンスだ。彼が来年レッドブルで（マックス）フェルスタッペンのチームメートになるのが目に浮かぶ」と太鼓判を押した。

レース前からローソン優位とみられた昇格争いで、いきなりケタ違いのパフォーマンスを見せられてしまった角田。残り５戦で奇跡の大逆転に期待したいところだが…。