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若者の闇バイト問題化の裏で高齢窃盗団「G3S(じいさんず)」出現の実情

東スポWEB / 2024年10月23日 6時2分

高齢窃盗団は空き家を狙っていたという(写真はイメージ)

10代~20代の若者による闇バイトが社会問題化している一方で高齢窃盗団が現れていた。北海道の札幌市や江別市内の空き家からネックレスやウイスキーなどを盗んだなどとして、60代~80代の高齢男3人が逮捕・起訴された事件で窃盗罪などでの公判が進んでいるのだ。彼らが知り合ったのはSNSではなく…。

3人は空き家専門の盗みを繰り返し、今年2月~6月までに計10件、被害額約109万円の事件に関与していたことが分かっている。

北海道のUHBニュースによると、逮捕・起訴された88歳、71歳、69歳の無職3人組の高齢連続窃盗団は捜査関係者から「G3S(じいさんず)」と呼ばれていたという。

SNSから闇バイトに応募し、指示役に言われるがままに強盗を行おうとした中学生らの事件があるなど、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が世間を騒がせる中、G3Sはアナログな絆で、空き家を狙うグループだった。

3人が知り合ったのはSNSを介した闇バイトではない。過去、札幌刑務所に服役していたときに、同じ工場で知り合い、親交を深めたという。出所後、88歳の男が71歳の男に電話し「車を出してくれないか」と窃盗を持ち掛けたことがきっかけで窃盗団となった。侵入し窃盗する実行役が88歳、運転役が71歳、盗んだ金品の保管役と転売役が69歳と役割分担をしていた。

法務省の犯罪白書によると、受刑者の高齢者率は上昇傾向にあるという。2022年の70歳以上の受刑者人員は、2003年の2・8倍となっている。

元受刑者の男性は「刑務所では刑務作業時に〝老老介護〟が行われています。体が不自由な高齢受刑者の身の回りの世話をちょっと年下の受刑者がやるわけです。若い人にはできませんから。懲役刑には刑務作業があり、工場で作業をする際は、私語はダメですが、しゃべる機会はありますし、昼休みには囲碁も打てます。だいたい65歳以上の高齢受刑者は同じ工場になります。そんな時にシャバでの電話番号などを伝え合うこともあるでしょう」と指摘。知り合うには十分なタイミングがあるわけだ。

また、刑務所の〝常連〟もできやすい。「悪いことをしてきたなら年金はあんまりもらえないでしょうから、シャバでは盗んだカネで酒を飲んで、捕まっても刑務所は衣食住の心配がないからかえって安心。刑務所内には知り合いもいるので、ムショもそんなに悪くないというわけです」と前出男性は話している。

お互い常連ならますます仲良くなってしまうのだ。

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