【宮崎祐樹連載#4】東京六大学の某大学からまさかの亜細亜大へ!〝マッチ〟松田宣浩先輩の衝撃
東スポWEB / 2024年10月25日 11時10分
【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(4)】長崎日大3年で野球部を引退。その後は野球部の部長に進学先に関して相談を受けてもらっていました。その際には校内からの推薦で、東京六大学リーグの某大学に進学が可能とのお話をいただくことができました。
野球部の厳しい練習の傍ら、勉強も必死でやってきてよかった。そう喜んでいると、厳しすぎる恩師の的野監督から呼び出しを受けました。
「何を勝手に進学先を決めようとしてるんだ! お前はもう2年の時から亜細亜大に決まってるんだ」と衝撃の通告を受けました。世間でも知れ渡っているように、亜細亜大といえば大学球界屈指の厳しい学校です。心の中では「ええええ…。絶対にそんな大学に行きたくない!」と叫びましたね。でも、監督に逆らうなんてあり得ません。
僕の父は東農大、母は中央大の出身です。学生時代は神宮球場に東都リーグを観戦に行っていたそうです。僕の周囲からも中央大、青学大の野球部に進学している人はいたので、両親からは東都なら中大、青学大がいいねと言われていました。
両親に亜細亜大の野球部に行くことを告げると「そんな厳しいところに行くんだね」と驚かれました。でも、今になって思うんですが僕は亜細亜で良かったと本当に思っています。
入部した当時、4年生に「マッチ」の愛称で人気を博した元ソフトバンク、巨人の松田宣浩さんがいました。その2005年シーズンの大学・社会人ドラフト希望枠でソフトバンクに入団していきました。
その松田さんの打撃が僕にとっては衝撃でした。高校時代、僕もプロに行けるかもと言われた存在でした。でも、結果的に行けずに大学に進学しました。そして入部してバッティングキャッチャーをした時、松田さんのフリー打撃を後ろから間近で見て「なんじゃこら」と思ってしまいました。「えっ、これが大学生?」って感覚です。よく言われるように、打者が投球を見送るんだと思って捕手がミットを閉じようとしたタイミングでやっとバットが出てくるんです。いい打者の逸話として、あるある話なんですがまさにそれです。
打球音も松田さんだけが、他の先輩たちと全く違いました。それでいて打球が落ちてこなくて、めちゃくちゃ飛んでいく。打球が上昇したままで柵越えです。「これがプロに行く人のバッティングなのか」とまざまざと思い知らされました。
僕なんて全然、あかんやん…。希望を持って入ってきた大学野球で最初から心がくじけました。実際、僕は大学時代は挫折の期間でした。リーグ戦でも通算5試合しか出場できませんでしたし、補欠でした。故障もありましたが、それは言い訳です。圧倒的に野球脳が足りていなかったというのが当時の僕でした。
今、考えたら当時の生田勉監督が言っていた「考えてプレーしろ」ということも理解できていなくて。捕手としてのセンスは皆無でした。当時の僕が上のレベル、プロに捕手として行っていたら絶対にすぐにクビになっていたと思います。
野球人生としてはどん底の期間でした。教職課程の講義を受けていたので、野球を辞めて長崎に帰って教員になろうと思っていました。もうプロになりたいとも思っていませんでした。でも、生田監督と進路相談した際の言葉で人生が変わることになります。
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