【日本Ｓ】ソフトバンク・モイネロ 打球直撃も続投志願の背景「正直に言うと、ちょっとキツイよ。でも…」

５回に打球直撃のアクシデントがあったものの、７回途中まで続投したソフトバンク・モイネロ

パ・リーグ王者のソフトバンクは２７日、ＤｅＮＡとの日本シリーズ第２戦（横浜）に６―３の快勝を収めた。連勝で通算成績は２勝０敗。先発したリバン・モイネロ投手（２８）は７回途中３失点の力投。５回に左腰付近に強烈な打球が直撃するアクシデントに見舞われながらも「ベルトの上に当たっただけ。全然、問題ない」と弱みを見せず、１０６球を投げ抜く魂の投球を披露した。

最優秀防御率のタイトルを獲得した左腕が、チームを日本シリーズ１４連勝に導いた。昨季まで鷹の中継ぎエースに君臨してきたモイネロは今季から先発に転向。レギュラーシーズン２５試合に先発して１１勝５敗、防御率１・８８という圧巻のパフォーマンスで有原とともに、先発陣をけん引した。転向１年目にして１６３イニングは勲章。スタミナ面の不安を感じさせず、先発適性を証明してみせた。

そんな長いシーズンをフル回転する左腕だが、こんな本音も吐露した。

「正直に言うと、ちょっとキツイよ。でも、うまく調整すれば今まで通りの調子を維持できるから大丈夫。僕の場合は１１月終わりまで投げることは決まってるから、もうひと踏ん張り。ここからは個人の内容じゃなく、チームの勝利が一番。そういう戦いだと思っている」

モイネロは来月開催される「プレミア１２」（１１月２４日決勝）のキューバ代表に選出されている。ナショナルチームでも今大会から先発に転向し、ホークスでの好パフォーマンスを評価されて「エース」を襲名した。キューバは世界ランキング１位の日本と同じＢ組。モイネロは、上位２チームが駒を進めるスーパーラウンド進出のカギを握る最大のライバル・ドミニカ共和国との開幕戦を託されることが確実とみられる。

「キューバ国内リーグはさすがに…と思ってはいるけど、まだ分からないよ」と不敵に笑ったタフガイ。年明けには例年参戦している母国リーグも開催される。「勝てば、いっぱい投げる。シーズンは長いね」。横浜のマウンドで弱音を吐かなかったのは、鉄腕の真骨頂だった。