【F1】角田裕毅 同僚リアム・ローソンとは「横一線」…小倉茂徳氏が〝レッドブル昇格争い〟徹底解析
東スポWEB / 2024年10月30日 5時0分
〝昇格レース〟の行方は――。F1のRBに所属する角田裕毅(24)は27日(日本時間28日)に行われたメキシコ・グランプリ(GP)決勝で1周目に無念のリタイア。一方で、同僚のリアム・ローソン(22)は親グループであるレッドブルのセルジオ・ペレス(34)に対して〝中指立て騒動〟を起こすなど失態を犯した。角田の昇格争いは今後どうなるのか、モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏(62)が展望した。
ペレスの不振が続いて解雇が検討されていることで、レッドブル昇格が現実味を帯びてきている角田とローソン。今季残りレースが昇格をかけた争いになる中で、メキシコGPは〝共倒れ〟の結果となった。
角田はフリー走行で速さを見せながら、肝心の予選でクラッシュしてQ2敗退と自滅。決勝は11番手からスタートしたが、1周目のコーナーでアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)と接触して早々にリタイアを余儀なくされた。
一方のローソンは、同グループのペレスと必要以上に激しく競り合って相手のマシンを大きく損傷させる結果に。揚げ句の果てに、ペレスに対して中指を立てる愚行まで犯したことが中継映像に捉えられ、大騒動に発展。二重の失態を犯す格好となった。
小倉氏は昇格をかけて争う2人について「対決になるのは確か。生き残りをかけて戦っている状況なので、どちらも必死になる」と熾烈な現状を指摘する。ローソンがダニエル・リカルドに代わってRBの正ドライバーに就任し、レッドブルへの昇格レースの位置づけとなってから2戦。どちらが有利になっているのか。
「(角田がスピンした前戦の)米国GPや、メキシコGPのクラッシュを見ると、ちょっとローソンに傾いているかなとは思うが、ローソンも結果的に決勝でしくじった。そうなると、まだ評決を下せる状況ではないと思う。次のブラジルGP(決勝11月3日=日本時間同4日)から2人とも新しい車になるので、そこから仕切り直しになるのではないか」とまだ〝横一線〟との認識を示した。
角田が昇格を勝ち取るために必要なポイントとしては「素の速さ、強さが角田には十分ある。ローソンのことは気になっているはずだとは思うが、あまりその存在を気にしないほうがいい。自分の仕事に専念するやり方をすれば、おのずと結果はついてくる」と力説。自らの走りにどれだけ集中できるかが重要とした。
また、レッドブルが製造者部門のタイトル争いで窮地のため、今季中にペレスを解雇するとの海外報道が次々と出ている。そうなれば、実績で勝る角田の緊急昇格もあり得るが、小倉氏は「いろいろと思惑が関わってくるので難しい。ローソンはテストとはいえ、今年レッドブルのマシンで走っている。首脳陣の心証も良いドライバーだし、そのへんはどちらがいいというのは微妙。首脳陣の考え方次第ではないか」と予断を許さない状況であることを強調。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表や重鎮ヘルムート・マルコ博士の判断に注目が集まる。
いずれにしても、今季残り4戦は角田のF1人生を大きく左右することになりそうだ。
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