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【九州場所】大の里〝辛勝発進〟は偉業へのプラス材料 秀ノ山親方「大崩れしないところが強み」

東スポWEB / 2024年11月11日 6時9分

平戸海(右)を突き落としで破った大の里

偉業達成はなるか。大相撲九州場所初日(10日、福岡国際センター)、新大関大の里(24=二所ノ関)が幕内平戸海(24=境川)を突き落として白星スタートを切った。関脇と新大関で2場所連続優勝を果たせば、双葉山以来2人目の快挙となる。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40=本紙評論家)は大の里の初日の相撲を分析した上で、15日間の戦いを占った。

大の里が〝辛勝〟で大関初白星を挙げた。平戸海にもろ差しを許して土俵際まで後退したが、左から突き落として逆転勝ちした。取組後は「ヒヤヒヤした。初日の入りは課題」と反省。「一日一番、集中してやるだけ。大関になったことでの違い? 特に何も…。また明日以降、集中して頑張りたい」と気持ちを引き締めた。

この日の大の里について、秀ノ山親方は「普段の相撲と比べたら、やや硬さがあった印象」と分析する。自身の経験も踏まえながら「新大関の場所で特に初日ともなれば、独特の雰囲気の中での戦いになる。今まで以上に結果が求められる立場。周りから『大関』と呼ばれて自覚が生まれる半面、負けられない重圧を感じて、それが硬さにつながることもある」と心理状態を指摘した。

それでも、危ない相撲の中で白星をつかんだことはプラス材料だ。秀ノ山親方は「しっかりと最後に勝ち切ったあたりが、やはり地力はあるなと感じる。バタバタした相撲ではあったけれど、冷静さは失っていなかった。攻め込まれても体の軸は崩れていないので、本人の中にも逆転できる感覚があったのでは。あとは立ち合いを少し修正すれば、本来の相撲になると思う」と評価した。

新大関で優勝を果たせば2006年夏場所の白鵬以来、18年ぶり9人目の快挙。関脇と新大関の連覇なら1937年春場所の双葉山以来、87年ぶり2人目の偉業となる。まだ大銀杏(おおいちょう)を結えない〝ちょんまげ大関〟は、初日から注目の的。幕内土俵入りで大の里が登場すると、超満員の観客からは最も大きな声援を送られた。

秀ノ山親方も「勝っても負けても自分の相撲さえ取れれば、大崩れはしないところが大の里の強み。今場所も、優勝争いを引っ張っていく存在になっていくと思う」と期待を寄せる。土俵の主役から目が離せない15日間となりそうだ。

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