【九州場所】〝朝青龍化〟豊昇龍が快進撃 親方衆は「積極果敢な攻め」を評価
東スポWEB / 2024年11月13日 6時19分
〝朝青龍化〟で快進撃だ。大相撲九州場所3日目(12日、福岡国際センター)、大関豊昇龍(25=立浪)が、幕内平戸海(24=境川)を一方的に押し出して快勝。初日から3連勝と好調な滑り出しを見せている。取組後の支度部屋では「しっかり当たりたいと思っていた。集中できているので良かった」と会心の相撲を振り返った。
昨年名古屋場所で初優勝し、大関昇進を果たした。しかし、その後は賜杯と無縁。過去4場所は初日黒星と出遅れ、先場所に至っては千秋楽に勝ち越すのがやっとだった。不振の大きな要因の一つが、消極的な相撲内容だ。鋭い出足が影を潜め、苦しい体勢から強引な投げ技に頼って墓穴を掘ることもしばしば。それが一転、今場所は立ち合いから積極果敢に攻め込む相撲が光っている。
親方衆の評価も上々だ。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「今場所は前に出ている印象がある」。審判部副部長の粂川親方(元小結琴稲妻)も「まわしにこだわらずに前に出る相撲が多い」と指摘した。同じく審判部の朝日山親方(元関脇琴錦)は、2日目に実力者の小結若元春(荒汐)を土俵下まで吹っ飛ばした一番に着目する。
同親方は「(豊昇龍の叔父で元横綱の)朝青龍を見ているような、すごい相撲を取っていた。あの突っ張りなら(同じ大関の)大の里や琴桜も、簡単には勝てないんじゃないか」と変身ぶりに目を見張る。その上で「秋巡業中に豊昇龍と話す機会があったので『叔父さんのような相撲を取らないとダメだよ』と言ったんですよ」とアドバイスを送っていたことを明かした。
全盛期の朝青龍は、突き放して相手を圧倒する相撲で土俵を席巻。今の豊昇龍には、偉大だった叔父の姿をほうふつさせるものがあるようだ。その大関が2日目に口にしていた言葉は「前に出ない大関と言われるのが一番嫌」。大横綱の血を引くサラブレッドは、ついに覚醒の時を迎えるのか。
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