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【阪神】FA大山悠輔の引き留め交渉に藤川監督はノータッチ「そっと見守ってあげるのが一番いい」

東スポWEB / 2024年11月15日 6時5分

FAの目玉になった阪神・大山悠輔

【ワッショイ!!スポーツ見聞録】日本野球機構(NPB)は14日、フリーエージェント(FA)権を行使した選手を公示した。有資格者111人のうち9人が権利を行使。そのうち、7人となった国内FA宣言選手の中には阪神で打線の中軸を担った大山悠輔内野手(29)が存在する。

FA宣言選手は15日から他球団との交渉が解禁となる。すでに大山に関しては水面下で巨人、広島、西武などが獲得に意欲的との情報もあり、争奪戦が過熱する様相を呈している。

阪神は現状、大山の宣言残留を信じ、慰留へ向けての準備を進めている状況。条件面では4年16億円規模の契約を用意しているとの声もある。他球団からFAした選手に関しては獲得凍結の方針で「大山ありき」の編成を藤川監督、フロントで確認し合っている。

そんな中、阪神・嶌村球団本部長にこんな質問が飛んだ。大山の引き留め交渉に際し、藤川監督の直接出馬はあるのか――。これに関して同本部長は「契約の問題はフロントの責務。監督も『残ってほしい』と話しているわけで、それが全て。現場は現場、フロントはフロントの役割がある」と、あくまでフロントで解決する案件との考えを明確にした。

藤川監督も「フリーエージェントで手を挙げた選手に監督がコメントするというのは、世界中でもタイガースくらいじゃないですか(笑い)。球団と折衝しているので、僕はタッチしていない。監督がどうこうというのは、たぶんアメリカでもないし」と、フロントと一致した考えを示している。

1996年のエピソードではあるが、西武からFA宣言した清原和博内野手を巡り、阪神と巨人が争奪戦を繰り広げた逸話がある。

当時の巨人・長嶋茂雄監督は「私の胸に飛び込んできてくれ」と直接出馬でラブコール。対して阪神・吉田義男監督は「阪神のタテジマのユニホームを、ヨコシマに変えるくらいの気持ち」と、こちらも指揮官自ら出馬で猛アタックを敢行した。

重ねて2002年オフに広島からFA宣言した金本知憲外野手の獲得を、阪神が目指した際にも星野仙一監督が直接出馬。「お前は俺と一緒に歩むことになっている」との名セリフで口説き落としたエピソードも懐かしい。

新聞の見出しに「〇〇直接出馬へ!」。こんな見出しが躍り、チームの顔である監督がFA宣言選手と直接交渉する。生々しい争奪戦にワクワクしたことも事実ではあるのだが、もうこんな時代は終わったのだと再認識した方がいい。

自らも悩み抜いて現役時代の12年オフ、阪神からMLBカブスにFA移籍した経験を持つ藤川監督の言葉は重い。

「(権利を取得した選手の)尊厳を保つというかね。大山のコメントも読みましたけど、悩みもある中で。今はそっと見守ってあげるのが一番いいと思う」

阪神に魅力がないから? お金が目当てだから? 巨人にだけは移籍しないで? いつまでそんな事を議論しているのだろうか。

1993年オフ、NPBにFA制度ができてもう31年。選手が自ら得た権利の行使、移籍の自由を普通に楽しめる時代でいいんじゃないかと思う。

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