マディ・ウォーターズ 改めて接すると偉大さが分かる名盤中の名盤【アナログで聴きたい名盤】

ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ／マディ・ウォーターズ（１９５８年）

【ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ／マディ・ウォーターズ（１９５８年）】

戦後シカゴブルースの巨匠の、１９４８年から５４年のチェスレーベルにおけるシングル曲をまとめた実質上のファースト・アルバム。このアルバムがなければその後のロックの在り方も大きく変わっていたかもしれない歴史的名盤だ。

マディのボトルネックとずぶとい声に名ベーシスト、ウイリー・ディクソンらのベース、リトル・ウォルターのハーモニカが加わるシンプルかつ中毒性の高い音が、ガランとしたガレージの中で鳴らされるような迫力に満ちている。音は簡素ながら、ズシンと心臓に響くような曲ばかりだ。

年代はばらけているが、マディとベースのみの「アイ・キャント・ビー・サティスファイド」（４８年）はまさに鬼気迫る演奏で、シカゴブルースを代表する曲となった。５０年代にはバンドスタイルへと進化する。

マディを神とあがめたザ・ローリング・ストーンズがこのアルバムの「ローリン・ストーン」からバンド名を取ったのは有名なエピソード。当時は多くの英国のバンドがこのアルバムからブルースロックへと走った。

私は中学生の時に初めて聴いたが何が良いのかさっぱり分からなかった。ある程度、ロックを聴いて改めて接すると、その偉大さがようやく分かる、名盤中の名盤である。