G馬場に4回挑んだキラー・カール・コックス「義眼説」の真相 東スポが捉えた決定的瞬間
東スポWEB / 2024年11月17日 10時14分
「猪木戦記」(全4巻、ベースボール・マガジン社)を上梓したプロレスライターの流智美さんは、「義眼というのはウソ。ポケットの中に入れていた目の玉に見せかけたガラス玉を取り出していた。彼の息子ショーン・コックスが『親父が得意のイタズラだったよ』って言ってた」と証言する。
流さんは昨年「カリフラワー・アレイ・クラブ」でヒストリアン・アワード(James C. Melby Historian Award)を受賞。同じ年コックスはポトモースアワード(Posthumous Award)を受賞した。息子のショーン・コックスが授賞式に出席した。
流さんは「毎年一人だけ、かつての大レスラーが表彰される。息子のショーンと食事の席が隣だったからいろいろ話を聞いた。家族とメリーランド州ボルティモアに住んでいて、『親父からずいぶん(日本の)お土産をもらった』って教えてくれた」
コックスはある日、巡業に同行した東スポに〝義眼〟のイタズラのやり方をレクチャーしていた(写真)。左目は見開いてカメラを見つめたまま、右目だけを徐々に細めて伏し目がちに左側に移動させる。タイミングを計り、右目を押さえてポケットからガラス玉を取り出して見せてくれた。隣に座っていたニコリ・ボルコフは大笑いだった。
筆者は最後の来日となった81年(昭和56年)2月の東北巡業で、コックスを初めて取材した。「場外乱闘は一歩踏み込んで撮る」。そう指導してくれた先輩カメラマンの言葉に従ってカメラを向けると、〝怖い〟表情を作ってくれた。
流さんは「コックスには引退後に話を聞いたけど『ブレーンバスターで相手をケガさせたことは1回もない』って本当に自慢してたよ」。そう懐かしむ。
〝殺人鬼〟の異名で呼ばれたコックスは関係者、マスコミに好かれた好人物だった(敬称略)。
※「Cauliflower Alley Club」は北米の現役および引退したプロレスラーとボクサーが参加する非営利の友愛団体。レスラーの耳が激しいトレーニングの過程で潰れ、カリフラワーのようになってしまうことを由来とし、65年に設立された。68年に始まった年に1度の授賞式は今年で57回目を迎える。
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