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生誕100年 力道山初の国際的シングル「アジアヘビー級王座」プロレス史上貴重な9回の防衛戦

東スポWEB / 2024年11月17日 10時14分

お互いグロッギーになりながらパンチを打ち合う力道山とエチソン(右)

【昭和~平成スター列伝】日本プロレスの祖・力道山は11月14日で生誕100年を迎える。多くの偉業を残した力道山だが、初めて巻いた国際的シングル王座が1955年に奪取したアジアヘビー級王座だった。まだ戦後10年の時代であり「アジア」は、貴重かつ価値と威厳がある冠だった。

初代王座決定戦は同年11月8~22日に「アジア選手権大会」として開催され、力道山はキング・コング、ダラ・シン、タイガー・ジョキンダー、サイド・サイプシャーらアジア各国代表と総当たりリーグ戦を行い、11月22日蔵前国技館の最終戦でキング・コングを破り、4戦全勝で初代王座に就いている。

しかし58年8月27日に米ロサンゼルスで“鉄人”ルー・テーズからインターナショナルヘビー級王座を奪取。以降は同王座を看板としたため、アジア王座は「2番手」となり、63年12月15日に死去するまでわずか9回の防衛戦を行うにとどまっている。最後の防衛戦は62年1月19日大阪のロニー・エチソン戦だった。本紙は1面と3面で詳細を報じている。

「1本目は力道山のキーロック、エチソンのトーホールドと全くの互角。ヘッドロックに入ったところへ力道山が必殺のバックドロップ。エキサイトしたエチソンは必殺の右ストレートを5発叩き込み、力道山は初ダウン。しかし待望の空手を肩口へ3発。エチソンもダウンだ。最後はエビ固めに入るエチソンを力道山が足ではね上げるとコーナーに衝突してグロッギー。力道山はすかさず押さえ込んで1本目を先制した(19分0秒)。2本目はエチソンがストレートを連打。勝ち急ぐエチソンは得意のジャイアントスイングでブンブン振り回して叩きつけ、全体重を乗せたフライングソーセージでそのままフォールした(6分47秒)。3本目、エチソンは右ストレートからジャイアントスイングで振り回して叩きつける。しかし勢い余って吹っ飛びコーナーへ頭を強打。脳振とうを起こした。ヒザをついたままエチソンは右ストレート、力道山は空手で逆襲する。これが3回繰り返された後、力道山が放ったトドメの空手チョップが決まり快勝した(1分56秒)」(抜粋)

結局、この9回目の防衛戦が最後となり、力道山の死後は空位となる。その後は6年の空白を経て、大木金太郎が68年11月9日、韓国ソウルでの王座決定戦でバディ・オースチンを破り、第2代王者となった。大木は長く王座を保持したが、日本プロレス崩壊後に管理権は全日本プロレスに移行。82年5月3日韓国での大木の防衛戦を最後に再び長い空位期間が続く。2018年にはLAND’S ENDの崔領二が新調したベルトで王座を復活させた。

地味な存在ではあったが、力道山にとって初の国際的シングル王座という意味ではプロレス史上、貴重なベルトであった。 (敬称略)

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