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【マキ上田連載#14】恋愛関係で崩れていくジャッキー佐藤を見て裏切られた気持ちに

東スポWEB / 2024年11月20日 16時9分

サイパンの海辺を歩くマキ上田(左)とジャッキー佐藤(ロッシー小川氏提供)

【マキ上田 ビューティ・ペアかけめぐる3年間の軌跡(14)】「ビューティ・ペア」の人気が出てから3年がたとうとしていた1979年1月4日に「敗者引退マッチ」でコンビを組むジャッキー(佐藤)とシングルマッチで激突することを発表しました。

ファンの子たちは、この対戦発表に大号泣でしたね。でも実は、1年くらい前から会社(全日本女子プロレス)に対し「もうジャッキーとはやっていけない」っていう話をしていたんです。そうしたら社長から「わかった。1年後に引退試合をするから。それまでは頑張ってくれ」って言われていたんですよ。

そのきっかけは恋愛関係で崩れていくジャッキーを見て裏切られた気持ちになったことでした。当時ジャッキーは「3禁」(酒、たばこ、男)を破って付き合っている人がいたんです。その人は心が病みやすい人だったから、巡業中に試合が終わると、10円玉をいっぱい持って毎晩“お相手”に電話していました。そのたびに相手が「もう死んでやる!」とか言ってたみたい。

それを聞いたらジャッキーはいてもたってもいられない精神状態になって、巡業中や仕事の途中で抜け出して電話したり、会いに行ったりしていたの。私たちの見た目はジャッキーの方が男っぽくて私が女っぽかったけど、中身は真逆。私は男っぽいからそういう姿にあきれてましたね。ある日、巡業中に「マキちゃん、ごめん。アイツのそばにいてやらないといけない」って言われて、私も止められないから「わかった」って。

でも駅で会社の人に見つかって、強制的に連れ戻されたことがあったり…。別の日にも、連絡が来ると、友達とか後輩に様子を見に行かせたりしていましたね。

そのうちに試合でもジャッキーらしさが消えていったんだよ。私たちの試合って、私が相手の技を受けてうまい死に方をし、おいしいところはジャッキーに任せるっていう感じでやってた。だから常に私は自分を殺してアイツを華やかにしてやろうって思ってやっていた。それなのにジャッキーは恋愛に夢中になっているってのも納得がいっていなかった。会社もジャッキーに手を焼き、交際相手を団体のスタッフに入れたんだよね。

人気があったジャッキーを逃したくなかったんだろうけどさ。私のやる気というか、心の糸がプチッて切れちゃって「ジャッキーとはもうやってらんない」って社長に話して。当時ひと興行1億円とかで売ってたから、会社としてはあと1年でもいいから稼いでほしかったんだと思う。それで「負けた方が引退する」っていうふうに持っていくことになった。

しかも、そのタイミングで私の母が病気で亡くなって。それで次の目標を探そうと思い始めたんだよね。

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