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ウクライナが米国製ミサイルをロシア領内に発射 プーチン大統領は〝変化球〟で反撃か

東スポWEB / 2024年11月21日 6時4分

ロシアのプーチン大統領(ロイター)

ロシア国防省は19日、ウクライナ軍が米国から供給された地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」でロシア西部ブリャンスク州の弾薬庫への攻撃を実施したと主張した。ロシアのプーチン大統領は「核ドクトリン」に署名したばかり。ウクライナ情勢は悪化の一途をたどっている。

ウクライナは公表していないが、ゼレンスキー大統領は19日、ブリャンスク州への攻撃について「詳細は避けるが、ATACMSなど持っている長射程兵器は全て使う」と述べ、使用を事実上認めた。

米国のバイデン大統領は17日、ウクライナに対し、ATACMSによるロシア領内への攻撃を承認。これに対し、ロシアのプーチン大統領は19日、核兵器使用の基準を従来よりも引き下げた「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)の改定版を承認する大統領令に署名し、ウクライナが欧米諸国から供与されたミサイルをロシアに対して使用した場合、核攻撃の引き金となる可能性があると警告したばかり。その数時間後にウクライナはATACMSを使ったわけだ。

これで戦争の流れが変わることはあるのか。そもそも、欧米諸国は、ロシアの「越えてはならない一線」を何本も越えてきたといえる。

ウクライナへの西側戦車とミサイル発射装置HIMARSの供給。F―16戦闘機の納入もそうだ。それ以前は、中央および東ヨーロッパからのソ連製MIGやソ連製戦車の供給が限界だった。

軍事事情通は「ウクライナ軍のロシア領土クルスク州への侵入は最大の一線です。ロシアはこれを欧米諸国の助言、指示、あらゆる種類の諜報情報によって支援された活動であると解釈しています。その結果、ロシアは北朝鮮兵を導入しました。まだ1万人超ですが、最大10万人となる予定で、これはロシア軍、ウクライナ軍ともに追加徴兵できない中で、ゲームチェンジャーとなる可能性があります」と語る。

そして、ロシアが核ドクトリン改訂版発効の直後にウクライナはATACMSを使用した。

「核ドクトリンに該当するからといって、さすがにすぐに米国に核ミサイルを撃つというわけはないでしょう。ウクライナに対して劣勢になるわけではないですから。ただし、プーチン氏は変化球を使うとみられます。紅海で暴れているイエメンの親イラン武装勢力フーシ派に対し、米国艦隊を沈めることができる超音速対艦ミサイル『ヤーホント』を提供するでしょう。欧米諸国はこれを非常に嫌がっていて、『ウクライナ侵攻を越えるリスク』と表現しています」(同)

プーチン氏はバイデン大統領からトランプ次期大統領にバトンタッチするまでの現在の状況を最大限に利用するのだろう。そして、トランプ政権になった際に、ロシアに大幅に有利な条件でウクライナ侵攻の和平を受け入れるのかもしれない。

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