【ソフトバンク】キューバ代表・サルディ 日本戦後に「ベンチ内清掃」に励んだ理由
東スポWEB / 2024年11月28日 6時9分
日本や台湾などで開催された野球の国際大会「プレミア12」が閉幕した。今大会に異例の大抜てきで参戦したのが、キューバ代表のダリオ・サルディ投手(19=ソフトバンク)だった。
「モイネロ2世」の呼び声が高い鷹の育成左腕は先発、中継ぎで2試合に登板。力みもあって思うようなパフォーマンスを発揮できなかったが、今後の成長を後押しする貴重な経験を積んだ。今年1月に育成契約を締結して来日。入団時から体重は10キロ以上増え、日常会話レベルなら日本語でコミュニケーションを取れるほどにホークスになじんでいる。
手に汗握る激闘となったオープニングラウンドの日本戦(17日、天母球場)のことだった。前日に先発してからの連投でリリーフ登板。4時間を超えるロングゲームは、試合終了時点で現地時間は午後11時を過ぎていた。健闘も及ばず1点差負けで、チームは1次リーグ敗退。キューバ陣営にとっては心身ともに堪える試合だった。
その試合後のキューバベンチには、最後まで残って清掃に励むサルディの姿があった。飲み残したペットボトルを集めては中身を捨てて分別処理。どこかで見覚えのある光景だった。
「ホークスでいつもやってるから」(サルディ)。ソフトバンクのファームで凡事徹底の一環で定着している「野球をやる以前の習慣」だった。整理整頓、共有スペースで不快を与える利用をつつしみ、周囲に気を配る――。飲み残したペットボトルの放置は、誰かが捨ててくれるだろうという人任せの行動。小久保監督が二軍監督時代に徹底的に禁じた行為だった。
サルディにとっては当たり前の習慣だったが、キューバ代表スタッフらが感嘆の声を上げたのは言うまでもない。「小久保の教え」が台湾の地で世界に波及した瞬間でもあった。
「来年、もっと頑張ります」。流ちょうな日本語で拳を握った成長著しいキューバの新星に、サクセスストーリーの予感が漂っている。
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