辰吉丈一郎 KO負けの次男・寿以輝に奮起を促す「倒れて失神なんか誰でもできるわ」
東スポWEB / 2024年12月12日 22時34分
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチが12日、東京・後楽園ホールで行われ、元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(54)の次男で同級6位の挑戦者・辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)は王者・中嶋一輝(31=大橋)に2ラウンド(R)2分13秒TKOで初黒星を喫し、王座奪取に失敗した。
失神KO負けの息子に〝浪速のジョー〟が奮起を促した。8戦目で世界王座を獲得するスピード出世を果たした父とは違い、2015年4月のデビューから18戦かけてたどり着いたタイトル初挑戦。だが、両親、兄・寿をはじめ家族が総出で見守った一戦は、無残にも一撃で終わった。
強打のサウスポー中嶋を序盤から攻めあぐんだ寿以輝は迎えた2R、右のガードが下がった一瞬のスキを突かれた左ストレートをアゴに受けるとあおむけにダウン。キャンバスに頭部を打ち付けて失神状態となり、レフェリーが即座に試合をストップした。
試合後はストレッチャーに乗せられて退場したが、所属ジムの吉井寛会長は「大丈夫」と話し、病院にも行かないという。しかし、試合の記憶が飛んでおり取材は受けず、息子と言葉を交わした父が思いを代弁した。
衝撃的なKO負けにも父は「これぐらいで済んだからよかったかな。失神できたから、それ以上ひどくならずに済んだわけやから」と冷静。キャリアで上回る苦手のサウスポーが相手だったことで、「硬くなったというより、これをせなあかん、あれをせなあかん、とせわしかったかな」と指摘した。
息子の今後については「これをええもんにするか、あー最悪やったと思うのかは本人次第」と判断をゆだねる考え。だが、通算7敗し、網膜剥離などで引退の危機に陥りながらも3度の世界王座獲得を果たした自身の思いを重ね、「おやじ風、辰吉風の言葉を入れさせてもらうなら、オレならリマッチするよ」と再起を期待した。
さらに、自身は1999年8月のウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)戦で立ったまま失神状態となった記憶に言及。「立ったまま失神できたら認めたる。倒れて失神なんか誰でもできるわ」と、痛烈なジョークで激励した。挫折を味わった息子は再び立ち上がるか。
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