【巨人】FA甲斐拓也獲得で「人的補償」どうなる 若手3投手を〝育成再契約〟で対策済み
東スポWEB / 2024年12月18日 5時10分
巨人はソフトバンクから国内FAを宣言していた甲斐拓也捕手(32)と契約合意したと17日に発表。5年以上総額15億円超とみられる。2021年の東京五輪、23年のWBCで侍ジャパンの正捕手として世界一に貢献した「扇の要」の獲得を阿部慎之助監督(45)が熱望していた。大きな戦力を手に入れた一方、甲斐の今季推定年俸は2億1000万円でBランクとみられ、チーム内の話題は早くも「人的補償」に移り始めている。
甲斐の決断を受け、吉村編成本部長は「阿部監督が甲斐君を高く評価した。来季は一緒になって戦ってジャイアンツのユニホームで連覇と日本一を期待してます」と歓迎。その熱意の高さを物語るように、背番号は指揮官が現役時代につけていた「10」となる。
長らくソフトバンクの屋台骨を支えてきた甲斐の獲得には成功したが、もちろん〝無償〟というわけにはいかない。甲斐はBランクで、ソフトバンク側は巨人サイドに金銭か人的補償を求めることができる。そのため、さっそく古参の球団関係者は「出場機会が少なくなる若手捕手が外れるのでは」と予想し、一軍のチームスタッフは「若手投手は絶対に守らないと」など、28人のプロテクトリストを巡る〝人的談議〟で持ち切りとなった。
人的補償には大きな「トラウマ」がある。18年オフに獲得した炭谷(現西武)で内海(現一軍投手コーチ)、丸で長野(現巨人)と「チームの顔」が2人そろって流出した。そんな苦い過去もあるだけに、すでに手は打ってあるようだ。
今オフのFA戦線参入を決めていた球団側は、すでに支配下投手5人と内野手1人を育成再契約を前提とした自由契約とした。トミー・ジョン手術を受け、リハビリ中の石田、代木の2投手の育成落ちはやむを得ないが、菊地、松井、山田の3投手はそれぞれ台湾とオーストラリアでのウインターリーグに派遣され、思い切り腕を振っている。
球団サイドはまだ一軍の力はないと判断した形だが、菊地は23年に一軍で50登板、松井も23年に8登板、今季2登板を経験。山田は一軍未登板ながら21年のドラフト上位となる2位で入団している。
もちろん育成再契約はルール上認められており問題はないが、これにより人的補償の可能性がある外国人と今季ドラフト組、海外FA(菅野)を除いた支配下選手は50人に絞られた。球団関係者は「今回はベテランを守っても、ある程度余裕があるのでは」と話した。
正捕手が流出したソフトバンク側は金銭と人的のどちらを選択し、どんな結末を迎えるのか。
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