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【宮崎祐樹連載#34】引退時には33歳…大先輩の平野恵一さんに教わった「蓄え」の大切さ

東スポWEB / 2024年12月19日 11時4分

蓄えの重要性を教えてくれた平野は15年に引退

【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(34)】2019年オフ、僕はオリックスから戦力外通告を受けました。オリックスの合宿所「青濤館」がある大阪・舞洲でのトライアウトも受験しましたが、NPBの他球団から声がかかることもなく次のステップに進む選択をしました。

僕のプロフィルにも書かせていただいているように「アクサ生命」にお世話になることに決めました。引退後の進路として金融業界にめちゃくちゃ興味があったわけでも、知識があったわけでもありません。最初に声をかけていただいたということも後押しとなり、縁あって保険営業マンに転身することになりました。

プロ野球選手が引退した後のお金の問題はよく話題になります。お金の心配を全くすることなく、第2の人生を歩んでいける選手は存在しますが、ひと握りだと思います。僕の場合も現役時代に「億」を超える年俸を稼ぐ時期があったわけでもなく、先輩選手たちから「蓄え」の大切さを耳にしていました。

その一人がオリックスの大先輩にあたる平野恵一さんです。とはいえ、蓄えは大事だよということを理解していても、明確に投資とか運用とかをイメージしていたわけではありません。金融業界に入るにあたっては猛勉強の毎日でした。

時代のトレンドとして「積立NISA」や確定拠出年金「iDeCo」を活用しましょうという流れでもありました。でも、それらを僕がしっかり理解しているかといえばそうでもない。

ちょうど19年から20年というとコロナ禍と重なりますよね。入社した直後は、現実的に見込み顧客の方々ともアポを取っても接触すらできない時期でした。

これは不幸中の幸いなのですが、この業界に入った直後に活動休止のような状況に陥ったため、その時間を猛勉強に充てることができたんです。そういう経緯もあって、自社から提案する商品の知識をはじめ、金融商品に関しての情報を自分のモノにした上で活動をスタートさせられたのは大きかったですね。

事実、ある程度の稼ぎがある時に引退後の将来設計などを考えておくことは野球選手にとって大切なことです。僕自身、現役時代にNPBの「退団金共済制度」に加入していたおかげで、引退後にまとまったお金を手にすることができました。

引退してお金に関して無知である自分を見直すこともできました。さらにいうと、このままの自分でプロ野球に携わったとしても、指導者として何歳まで活動できるのだろうという不安と向き合う時間にもなりました。

引退時の僕は33歳でした。プロに限らず社会人、大学、高校などを含め野球界であと30年以上、生きていけるのか。そんなことを考えたところでイメージが湧かなかったですし、誰も明確な答えなど出すことはできないと思うんですね。

それなら、このタイミングでしっかり切り替えて外の世界を勉強したい。そういう気持ちがあったんです。手に職をつけるなり、何らかの行動を起こした方がいいなと。もう、あれから5年が経過しますが、自分の選択が間違っていたとは思いませんし、いろんな方々に支えられて活動を継続させていただいています。

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