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【宮崎祐樹連載#38】ヒジの手術を何度も乗り越え復活したレジェンド金子千尋さんの言葉は重い

東スポWEB / 2024年12月26日 11時4分

日本ハムで新庄監督(左)を支える金子コーチ

【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(38)】今回も続けて金子千尋さんについて書かせていただきます。金子さんは独特な視点を持っていて「今日、センターの守備位置からピッチングを見ていてどうだった? あのプレーはどう思った?」とか、野手に結構、いろいろな視点で質問してくれましたね。食事にもよく誘っていただいて現役時代には頻繁に野球談議に花を咲かせたものです。

僕は今、社会人軟式野球チームの「Baseball Team NINE」の監督をさせていただいているんですが、ウチの選手でトミー・ジョン手術を受けた投手がいるんです。今でこそアマチュアでもヒジにメスを入れる選手も珍しくはなくなってきましたが、それでも周りにゴロゴロいるレベルではりません。

術後のリハビリやトレーニング方法、患部のケアなどは経験者に聞くのがベストだと思い、金子さんにLINEしてみました。そしたらなんと、金子さんの方から電話をかけてきてくれたんです。

それぞれの選手によって症状や傾向が全く同じではないというのは仕方がないことです。それは前提として、元プロ野球選手であり、術後にマウンドに復帰した金子さんからのアドバイスは目からウロコでした。

金子さんは自らの経験に基づいて「そこはこうした方がいいんじゃないかな」とか、「俺の時にはこうしていたよ」というように、われわれの目線に合わせて親身になって相談に乗ってくれました。

投球可能なリハビリ段階に入ってきた場合は、遠い距離のキャッチボールの相手は人間でなくても構わないとも言われました。術後でどうしても腕を強く振ることに恐怖心がある状態の時に相手が人間だと、加減してしまうんですよね。その的に向かってちゃんと投げようとしてしまう。相手が年上だったりすると余計に気を使っちゃいますよね。

正確な距離うんぬんより腕を振るリハビリ段階なんだから、割り切ってネットを相手に投げればいい。相手がネットだと思えば。別にボールが高くなって捕球できなくたってどうでもいいわけで。もともとの自分のボールを取り戻す過程なんですから、別に相手に捕りやすい球なんて投げなくてもいい。リハビリ段階で置きにいく癖なんかがついちゃうと、余計にやっかいなことになってしまいますから。

金子さんは2011年キャンプ中と14年オフに2度にわたって右ヒジにメスを入れています。自身初の200イニング登板を果たし17勝で最多勝にも輝いた10年オフを経て、11年は2月9日に右肘遊離軟骨除去手術を決行。6月5日の阪神戦で一軍復帰すると、そこから10勝を記録しています。

沢村賞、リーグMVPにも輝いた14年オフには右肘骨棘(こつきょく)の除去手術を受けています。そして、その3年後の17年には184回1/3を投げ12勝と完全復活しています。手術を乗り越え、年齢を重ねてなお結果を残し続けたレジェンドの言葉は重みが違います。

リーグMVP、沢村賞、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振など数々のタイトルを経験してきたオリックスのレジェンドが、なぜチームに残っていないのか。今は日本ハムで役割を全うされているので、僕がとやかくいうことではないことは分かっているつもりですが。岸田護監督になったタイミングで、淡い期待を持った野球人は僕だけではないと思っています。

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