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怖いのは詐欺だけじゃない!〝リフォームの落とし穴〟一括見積もりサイトの闇を専門家が詳説

東スポWEB / 2024年12月26日 17時4分

100万円が妥当な価格のリフォームで考えると分かりやすいだろう。5社が見積もりするだけでIT企業はまず10万円(=2万円×5社)をゲット。さらに受注した工務店から20万円を受け取り合計30万円の利益を上げる。一方、工務店には100万円の売り上げは立つものの、22万円も抜かれては利益が小さすぎて経済活動として成立しない。ならば最終利益を確保できるようあらかじめ逆算して、一括見積もりサイトでは通常よりも高い金額を出すリフォーム会社がほとんどだというのだ。

こうした実態について、冨岡氏は「建築業界があまりにもITに疎いことが最大の要因。経営者も職人さんもITツールを満足に使いこなせていない」と分析する。冨岡氏が経営するアドカラーズではSNSを活用して消費者目線の情報発信と見積もり相談を行っている。

「弊社の見積書には使うものの原価も作業人工(いわゆる人件費)、会社利益も赤裸々に記載しています。外壁塗装でいったら基本的には塗料の使いまわしはできないものです。だからこそ、1平米当たりいくらではなく、一斗缶を何缶使っているのかがプロが見るところ。こうした当たり前を知らず、一番安いからという理由だけで選ぶのは危険を伴います」

リフォーム業界に限らず、「●●一式」と詳細が分からぬようざっくりと書かれている見積書は少なくない。渡辺氏は「総額120万円のうち会社の利益が約30万円と書かれていたら、値引きが得意な僕でも『なんとか10万円安くして!』なんて言えなくなる(笑い)」と舌を巻きつつ、「買い手と売り手が知っている知識に差がある状態、いわゆる“情報の非対称性”がリフォーム業界では特に大きいのかもしれないですね。価格の仕組みを知らないと安さは正義になりやすく、かつ素人が分かりづらい複雑な業界ほど広告が過大になりがち」と懸念を示した。

冨岡氏は「職人の人材不足も問題です。腕の立つ職人さんでも低報酬で働かせれば数をこなすしかなくなり雑に作業して、結果的にお客さまの信頼を損ねる悪循環にハマってしまう。そうならないよう、これから全国の信頼できる業者に仕事を紹介できるような仕組みを構築していきたい」と変革を目指している。

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