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【宮崎祐樹連載#39】制球力が悪い投手に金子千尋さんが「目が悪いとダメ」 その理由は…?

東スポWEB / 2024年12月27日 11時4分

独特の投球理論を持つ金子氏

【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(39)】今回が2024年最後の連載になります。いつもご愛読くださってありがとうございます。また?と思われるかもしれませんが今回も、金子千尋さんの話をさせていただきます。「どんだけ好きやねん」というツッコミが聞こえてきそうですが、どうかお許しを。

僕自身がプロに対してではないにせよ、高いレベルの野球選手の指導者として活動するようになって、やはり引き出しというのは多いに越したことはないということを痛感しています。僕は高校、大学では捕手、社会人から外野手を経験しています。やはり、投手や内野手の個人技術の指導となれば誰かの助けも必要となるのは当然です。

そういうことを考えるにつけて、現役時代に金子さんと話していたことや、引退後にまでも教えてもらったことの貴重さが身に染みて理解できます。金子さんは自分なりの視点で物事を観察していて、独特の理論を持たれています。何より結果を残されているので、何を聞いても説得力があるんです。

例えば、低めに投げようとしてるのにコントロールがバラつく投手がいるんですが、どう指導してあげればいいですか? そんな質問を投げかけたとしましょう。すると、めちゃくちゃ論理的な回答が返ってきます。僕、金子さんの言葉を必要な時、いつでも出せるようにスマホのテキストメモに書き出してますからね。

低めに集めようとすると制球が定まらない…。これは回答の一例なのですが「目が悪いとダメ」とのことでした。一瞬、え? そこ?と思われるかもしれませんよね。でも、理由はちゃんとあります。

視力の悪い投手が捕手のサインを確認し、さらに低めに制球しようとする時、サインをのぞき込むためあごを突き出すような動きになりますよね。連動して次に出る動きが顔を捕手側に寄せる動作なんですって。そうしてしまうと、投球時の理想的な回転軸から腕が離れてしまうらしいです。

ほんの少しのことに思えるかもしれません。でも、投手が始動でスッと真っすぐに立てているのか、顔を前のめりにしていた方がいいのかは、アマチュアの方でも想像がつくと思います。自分の好きな投げ方で結果を残し、存分に稼いでいる人は聞かなくていいですが、人のとっさの動きに関連した大切な視点だと思いました。

先ほどの関連ですが、ブルペンで立ち投げは良くて、捕手を座らせるとダメになっちゃうタイプの投手も目線が落ちるタイプなんですって。そういったところを修正する引き出しがないと、弊害として投球時の回転軸から腕が離れ、ヒジが下がり、手首が寝てしまうんですね。そうすると結果として、いわゆる「抜けるボール」ってのが増えてしまいます。

ただ、これも奥が深くて、意図的に手首を寝かせてツーシームを操れる投手の場合はそれでもいいそうで…。いやもう、投手をあまり進化させないでくださいよ。

今でも気さくに変わりなく親交してくださる金子千尋さん。僕の大好きな先輩の一人です。
読者の皆さま、それでは良いお年をお迎えください。2025年もよろしくお願い致します!

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